大阪万博、日英で「地域の連携強化を推進」 デービッドソン・在大阪英国総領事インタビュー詳報

在大阪英国総領事のキャロリン・デービッドソン氏=大阪市浪速区(前川純一郎撮影)
在大阪英国総領事のキャロリン・デービッドソン氏=大阪市浪速区(前川純一郎撮影)

8月に在大阪英国総領事に就任したキャロリン・デービッドソン氏は、産経新聞のインタビューに対し、2025年大阪万博に向け、ライフサイエンスなど、英国が強みを持つ分野で「日英の地域間連携を強化したい」との意向を示した。

--大阪の印象は

「私はマンチェスターの出身で、かつて『東洋のマンチェスター』といわれた大阪にも地域の力、精神が満ちていると感じている。緊急事態宣言下の8月に着任したが、大阪の経済は力強く、国内でも重要であり続けた。関西の人は友好的で食事もおいしいと聞きます。今後は経済界や企業、大学、研究機関などとも意見交換をしていきたい」

--大阪では2025年万博が控えている

「会場の夢洲は見に行きました。大阪・関西、そして日本にとっても重要な役割となるでしょう。大阪万博のサブテーマにある『いのちを守る』『いのちをつなぐ』などに象徴されるヘルスケアやライフサイエンス、技術、教育といった分野は、英国が特に強みを持つ。総領事として英国の地方と日本の地域の関係強化に期待したい」

--11月には英国で国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開かれる

「総領事館の主な仕事は通商・経済関係ですが、気候変動問題も非常に重要です。私の目標として自治体レベルでの日本と英国の関係強化を図りたい。今春、京都市が石炭火力発電の撤廃をめざす国際連携『脱石炭連携』に加入した。関西、西日本の自治体に広がっていくよう期待したい」

--関西が強みを持つライフサイエンスなど、科学技術の連携も必要だ

「RENKEI(日英大学間連携プログラム)という、日英の各6大学が協力するプロジェクトがある。日本の6大学のうち5校は西日本の大学だ。英国の新たな海外留学支援制度で、日本を希望する学生は千人以上いる。今後も連携強化を図りたい」

--外交面でも、両国の結びつきは強まっている

「日英両国は自由と民主主義という同じ価値観を持ち、近年、安全保障の分野で日英関係は非常に強化されてきた。9月に英国の新鋭空母クイーン・エリザベスを旗艦とする空母打撃群が初めて日本に寄港した。安全保障と防衛の分野で、日英関係は新たなレベルに引き上げられたといえる」

【プロフィル】 キャロリン・デービッドソン氏

1986年ブリストル大近代語学部卒。英外務省入省後、89年から駐日英国大使館に2年間勤務。2012年から2年間、気候変動・エネルギー部副部長を務め、地球温暖化問題にも詳しい。元外交官の夫と一つの役職を共同で担う世界初のジョブ・シェアリングで、スロバキア公使やグアテマラ大使を歴任した。マンチェスター出身。

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