米中が貿易協議を再開 米側が非市場経済への懸念伝える

(左から)米通商代表部のタイ代表(ゲッティ=共同)、中国の劉鶴副首相(ロイター=共同)
(左から)米通商代表部のタイ代表(ゲッティ=共同)、中国の劉鶴副首相(ロイター=共同)

【ワシントン=塩原永久、北京=三塚聖平】米通商代表部(USTR)のタイ代表と中国の劉鶴副首相が米東部時間8日夜(日本時間9日午前)、貿易問題をめぐり電話協議した。USTRによると両閣僚は、米中2国間の貿易関係の重要性を確認。タイ氏は中国による「国家主導型の非市場政策をめぐる懸念」を伝えたという。

両者の電話協議は今年5月以来。USTRは両国閣僚が「率直に意見を交換した」と説明。米中関係が「世界経済にも多大な影響を与える」ことを確認した。米政府高官によるとタイ氏は、米中「第1段階」貿易協定に盛り込まれた中国による米産品購入の履行状況を取り上げた。

昨年2月に発効した第1段階協定で、中国は米農産品や工業品などの輸入を21年までの2年で計2千億ドル(約22兆円)増やすと約束した。一部の品目の輸入額は大きく増えたが、多くの分野で合意水準には達しておらず、米国側は合意順守を求めたもようだ。

また、米国側は中国に不公正な慣行を是正するよう要求したとみられる。米政権は当面、中国が要求にどう対応するか見極める方針だ。ただ、中国側の取り組みが不十分な場合、新たな対中制裁関税の発動も含め「米労働者を守る手段を総動員」(米政府高官)するとしている。

中国商務省は9日に発表した声明で、劉氏が協議で「追加関税と制裁の撤廃について交渉した」と表明した。中国経済の発展モデルや産業政策などの問題についても中国側の立場を説明したという。

タイ氏は近い将来に再会談したい意向を中国側に伝えたという。中国商務省も「対等と相互尊重の態度に基づいて意思疎通を続けることで双方が同意した」と表明している。