浪速風

原動力は好奇心

ノーベル物理学賞を授与される米プリンストン大学上席研究員、真鍋淑郎(しゅくろう)さんの記者会見を見ていて、思い浮かんだ言葉がある。「これを知る者は、これを好む者に如(し)かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」。論語の有名な一節である。笑顔で「原動力の全ては好奇心」と自身の研究を振り返る真鍋さんの姿は、孔子が絶賛する「楽しむ者」そのものだった

▼米国籍を取得し、米国を拠点に研究を続けてきた真鍋さんからは「好奇心に基づく研究が少なくなってきているのではないか」と、日本の科学界を心配する発言もあった。ただ、進取の気風や斬新なアイデアを生み出す好奇心が薄らいでいるのは、科学界に限った話ではないようにも思う

▼日本社会のどこが問題なのか。どうしたら好奇心を維持できるのか。「研究は楽しくてしようがなかった。困難はあったかもしれないが、非常に面白い人生だと思う」と言い切れる真鍋さんに、処方箋を尋ねてみたい。