【美村里江のミゴコロ】体重増減のぬかるみ - 産経ニュース

メインコンテンツ

美村里江のミゴコロ

体重増減のぬかるみ

健康の理想はかたわらに置いておく話となるが、海外の役者ニュースで「役柄のため〇キロ減」のような記事を見掛けるたび、いいなあと思ってしまう。「半年かけてアクションのトレーニング」、なんていうのもうらやましくて仕方ない。

私は役柄のためあれこれ調べたり試したりするのが好きな〝準備魔〟であるが、日本で制作される作品では半年も準備期間をいただけることはごくまれだ。1カ月あれば長い方ではないかと思う。

国内でも病に伏す役や、アクション作品のために役者が増減量したニュースが時折出るが、大抵男性である。女性が少ないのには訳がある、というのを私自身実感した一件があった。

30歳を過ぎてからいただいた役で、原作を読んだところふくよかな体形の女性であった。そして手元にある準備稿(本番用の前段階の台本)と照らし合わせ、その方がキャラクターも引き立つなと、増量を決心した。

これまでも3キロ程度は役によって調整してきたし、そうそう難しくないと思ったのだ。が、しかし…。

太るのは大変簡単であった。筋肉質でなく運動神経の鈍そうな感じの方がよかったので、普段のトレーニング量を減らし、食事の糖質と脂質を増やした。これであっという間、1カ月で5キロ増え、映像では鈍臭く気の小さい感じに映り、うむうむと自己満足。

よし、次の役のために戻すぞ~。2カ月あればいけるだろう…。そうはいかない30代女性のわが肉体であった。

最近の説では基礎代謝は50代までは落ちないらしいのだが、栄養の吸収率が変化し、筋肉量が落ちるのだそうだ。結果的に痩せにくくなる。この役のため筋肉を落としていたのが災いし、肌の緩みなどもきっちり戻すのに、結局5カ月強もかかった。

その間に痩せている必要のある役がなかったのは幸いだったが、いやはや骨が折れた。減量に魔法はなく、トレーニング量を増やし、食事内容を記録して見直し、間食なしという超王道。この苦い経験から、今後太っていた方がいい役では筋肉を落とさないよう、十分気をつけていこうと思っている。

そして先週からは、人の来ない非常階段の昇降を数十分続けるトレーニングを繰り返している。この肉体改革は間に合うか。次回、4カ月ぶりの登山!