茨城・取手で15日から「グリーンスローモビリティ」の実証調査

新取手地区で実証調査を行う「グリーンスローモビリティ」の同型車両=(取手市提供)
新取手地区で実証調査を行う「グリーンスローモビリティ」の同型車両=(取手市提供)

茨城県取手市は15日から11月4日まで、ゴルフ場の電動カートのような車を運行する「グリーンスローモビリティ」(グリスロ)の実証調査を行う。高齢者の日常生活での移動支援や公共交通の低炭素化などが目的。同市では課題を検証して、将来的には恒久的な運行も検討する。

グリスロは、時速20キロ未満で公道を走行する電動車を活用した移動サービスやその車両も含めた総称。国土交通省がエコでコンパクトな地域の移動手段として、全国で普及させることを目指している。

平成30年度から国交省が実証調査支援事業を行っており、今年度は6都県の7市区が選ばれた。

取手市の実証調査は新取手地区で行う。同市によると、同地区は人口3130人(4月1日現在)。坂道が多く高低差があって狭い道路が多い。昭和42年に入居が始まった戸建て住宅が多く、高齢化率も46・8%と市内平均の34・5%より高くなっている。

新取手地区には、同市のコミュニティーバスもあるが、バス停まで遠い人も多く高齢者を中心に〝買い物難民〟が課題となっている。

実証調査では、南北の2ルートを設定し、それぞれ午前9時から午後4時までの時間帯を30分間隔で運行する。使用するグリスロは4人乗りで、運転手を除き3人まで乗車できる。いずれも関東鉄道常総線新取手駅を起終点に、スーパーやドラッグストア、郵便局、銀行などを経由する。

運賃は無料で、アンケートに答えるとドラッグストアで景品がもらえる。

これまでに実証調査を行った18自治体のうち、4自治体が有償で、1自治体が無償でグリスロを恒久的に運行している。

実証調査後、取手市は運行の主体やコミュニティーバスとの路線の整備、有償か無償か、法規制や事故時の補償などについて検討。運行する地域としない地域との公平性などを踏まえて、恒久的な運行につなげたい考えだ。

取手市の藤井信吾市長は「新取手地区は自宅での孤立が新型コロナ蔓延(まんえん)前から課題になっていた。こういう人たちが外出するきっかけにもなる」と期待している。

今年度の国交省の実証調査地域には、石岡市も選ばれ、同市内2地区で運行実験を11月中旬から約3週間運行するとしている。

(篠崎理)