<独自>前理事長、選定過程から関与か 日大理事が通信アプリで報告 - 産経ニュース

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<独自>前理事長、選定過程から関与か 日大理事が通信アプリで報告

籔本雅巳容疑者(医療法人「錦秀会」のHPから)
籔本雅巳容疑者(医療法人「錦秀会」のHPから)

日本大学の付属病院の建て替え工事をめぐる背任事件で、日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)=背任容疑で逮捕=が大阪市内の医療法人グループ「錦秀会(きんしゅうかい)」の前理事長、籔本雅巳容疑者(61)=同=に対し、工事の設計業者選定に関する情報を報告していたことが8日、関係者への取材で分かった。特捜部は、意中の業者に選定させるため、籔本容疑者も選定段階から積極的に関与していたとみて経緯を調べている。

井ノ口容疑者が逮捕前の任意の事情聴取に対し、背任容疑について否認していたことも判明。特捜部は井ノ口、籔本両容疑者の認否を明らかにしていないが、井ノ口容疑者は逮捕後も否認を続け、籔本容疑者は違法性について否定しているとされる。

関係者によると、井ノ口容疑者は昨年、医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事を請け負う業者が決まる前に、通信アプリで「価格を探ります」などとメッセージで送信し、日大側の契約の条件などについて報告していたという。井ノ口容疑者は、籔本容疑者の了承を得た上で、都内の設計会社を選定させるための手続きを進めていったとみられる。

板橋病院の設計業者の選定は総合評価を競う「プロポーザル方式」で行われ、4社が参加。選定委員会の評価点では都内の設計会社は1位ではなかったが、井ノ口容疑者が日大関係者らに指示して評価点を改竄(かいざん)して、都内の設計会社を受注させた疑いがある。その後、日大から設計会社に振り込まれた着手金7億3千万円のうち、2億2千万円が籔本容疑者が保有する都内のコンサルタント会社に送金された。

籔本容疑者は、井ノ口容疑者の犯行に加担した「身分なき共犯」として逮捕されたが、こうしたメッセージのやりとりなどから、特捜部は、籔本容疑者についても、設計会社を介した不正な資金流出に関与した疑いが濃厚とみて、捜査を進めているもようだ。

特捜部は9月上旬、日大本部など複数カ所を家宅捜索。この際に押収した日大関係者の大量の電子データから、設計に関する一連の契約交渉について、井ノ口容疑者と日大関係者がやり取りを繰り返していたことも確認されている。