保釈中の逃亡防止にGPS活用へ 法制審部会が改正要綱案

法制審議会が行われた法務省=東京・霞が関
法制審議会が行われた法務省=東京・霞が関

保釈制度の見直しを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の刑事法部会が8日開かれ、保釈された被告に対するGPS(衛星利用測位システム)装着を柱とした刑事法改正の要綱骨子案を、賛成多数で取りまとめた。今後、総会で正式決定され、法務省が来年の通常国会に改正法案を提出する見通し。

同省によると、骨子案に基づいて刑事訴訟法などが改正されれば、刑事手続きの法律で初めてGPS活用が明記されることになる。

骨子案では、裁判所が被告の保釈を認める際、「国外逃亡防止の必要性」があると判断した場合のみ、GPSの装着を命じることができるとした。国外逃亡防止の必要性の明確な判断基準は示されておらず、議論を呼ぶ可能性もある。

活用が想定されるGPSの基本機能は、保釈中の被告が空港など所在禁止場所に近づいたり、機器を外したりすると裁判所に信号やアラームで知らせるもの。信号を受けた裁判所は身柄確保のため、速やかに検察に情報を共有する。

骨子案にはほかに、保釈中の被告が住居や勤務先を変更した場合の報告命令制度も盛り込んだ。正当な理由なく変更点などを報告しなかった場合、裁判所は保釈を取り消すことができる。また、逃亡防止のため被告の監督者を選任できる制度や、これまで罪に問えなかった保釈中の逃走について「不出頭罪」などを新設することも盛り込んだ。

日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(67)が令和元年末に不正出国するなど、保釈中の被告らが逃走する事件が相次いだことで、法制審で昨年6月から保釈制度の見直しの議論が行われていた。