強い揺れに不安な夜 帰宅途中の乗客の足直撃 - 産経ニュース

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強い揺れに不安な夜 帰宅途中の乗客の足直撃

地震の影響で品川駅ではタクシーを待つ人が列をつくった=8日午前(桐山弘太撮影)
地震の影響で品川駅ではタクシーを待つ人が列をつくった=8日午前(桐山弘太撮影)

埼玉県や東京都で7日深夜、震度5強を観測した地震。東日本大震災以来となる大きな揺れに、帰宅途中や自宅で休んでいた人たちは不安な一夜を過ごした。

震度5弱を観測した埼玉県草加市の女性(69)は、「下から数回、突き上げるような揺れがあり、そのあと大きな横揺れが1、2分続いた。立っていられないような揺れだった」と語った。マンション8階の女性の部屋では、棚の上の本やDVDが崩れ落ちるなどした。同県吉川市の主婦(73)は「テレビが倒れそうになり、棚の上のマスクの箱が落ちてきた。最近はこれほど大きな地震を経験しておらず、怖かった」と話した。

震度4を観測した東京都千代田区にある38階建て高層マンションでは、エレベーターが停止し、非常階段を歩いて部屋に戻る人の姿も。15階に住む男子大学生(24)は外で大きな揺れを感じマンション内に駆け込んだ。東日本大震災の際、マンションの出入り口が閉鎖され、中に入れなかったことを思い出したといい、「入れたのは良かったが歩いて15階まで上るのはしんどい」と疲れた様子で話した。

世田谷区のマンションに住む会社員の女性(29)は、室内で食事していたところ、緊急地震速報と同時に突き上げるような縦揺れを感じた。「あまりに揺れが強くてパニックになった。家族も混乱して泣き叫んだ」

帰宅の足にも影響が出た。運転が一時見合わせられたJR吉祥寺駅(武蔵野市)では、再開を待つ利用客らで改札前に人があふれた。午後11時半ごろに運転再開見込みがアナウンスされると、多くの人が安心した表情で改札になだれ込んだ。会社帰りの男性(26)は「終電まで再開されると思っていなかったのでよかった」と話した。

豊島区に住む女性会社員(26)は、JR山手線が一時運転を見合わせた影響で、池袋駅で立ち往生した。駅ロータリーのタクシー列はタクシーを待つ人で30~40メートルの行列ができていたといい、タクシーを諦め30分以上歩いて帰宅。「1人で駅に残されるのはとても怖かった。運よく歩いて帰れたが、もっと離れたところにいたら帰宅できなかった」と不安そうな声で話した。

杉並区の男子大学院生(27)は京王片倉駅(八王子市)で足止めに。電車が40分以上来ず、「最寄りの明大前駅まで帰れない」と嘆いた。「揺れはそこまで怖く感じなかった。このぐらいで止まってしまうのかとびっくり。もっと強い地震が起きたらどうなるのか」と不安な表情を浮かべた。

JR東海道線に乗車し茅ケ崎駅(神奈川県茅ケ崎市)に向かっていた同市の男性会社員(31)は「他の乗客のスマートフォンから緊急地震速報は鳴っていたが、走行中でこれほどの大きな地震とは気づかなかった」と話した。停車後にツイッターでニュースを確認し、地震の大きさに驚いたという。

男性の車両は戸塚―大船間で約1時間にわたって足止めに。その間、乗客は疲れ切った表情で電話で家族に状況を伝えるなどしていたという。男性が駅のアナウンスで運転再開を知ったのは、日付が変わった8日午前0時半ごろ。男性は「疲れたが明日も出勤だ。早く帰りたい」と声を落とした。