北海道の山岳地帯だけに生息し「氷河期の生き残り」とも言われる準絶滅危惧種のエゾナキウサギが冬支度に駆けずり回っている。8日は鹿追町の然別湖近くの岩場で数匹が餌をねぐらの巣穴に運び込んでいた。
秋晴れの下、「ピィッ」という鳴き声が聞こえた後、体長15センチほどのエゾナキウサギが姿を見せ、軽快なステップで岩場を飛び回ったり、隙間から辺りをうかがうように顔をのぞかせたりしていた。
毎年写真を撮りに来ているという釧路市の会社員関根琢実さん(60)は「口を半開きにして、上を見つめている姿がたまらない」と声を弾ませた。
エゾナキウサギは秋の間に、越冬のための食料となる草木を岩陰にため込む。