都民の警察官の横顔 ⑤

街の安心・安全の象徴に 小金井署戸倉駐在・神田清人警部補

登校する児童を見守る神田清人警部補=国分寺市(宮野佳幸撮影)
登校する児童を見守る神田清人警部補=国分寺市(宮野佳幸撮影)

「おはよう」

「暑いね、プール入った?」

夏休み前のある朝、国分寺市富士本で登校する児童らに声をかけた。歩行者用の信号が青に変わると、警笛を吹きながら誘導。市民生活に溶け込み、市民の安心・安全を守る警察活動-。その姿はかつて自分が憧れた警察官像そのものだという。

高校時代、自宅近くの交番の警察官が毎朝、自分たちにあいさつをする姿がりりしく見えた。「制服で街に立つ警察官が市民に安心感を与えている」。そう考え、警察官を志した。

昭和57年に警視庁に入り、地域部を中心に活躍してきた。拝命から約30年後、地域に根ざして活動する「街の警察官」である駐在所勤務を希望し、平成25年4月にようやく夢を実現させた。以来、8年以上にわたり、この小金井署戸倉駐在所に勤務している。

令和2年3月、警察官をかたる女らにキャッシュカードをだまし取られ、まもなく被害に気付いた高齢女性が駐在所に駆け込んできた。興奮する女性に妻の千秋さん(60)がお茶を出し、落ち着いてもらいながら銀行名を聞き出した。110番通報をした上で、千秋さんと手分けして銀行に連絡し、預金が引き落とされる被害を防いだ。「犯罪に巻き込まれれば、心身ともに傷つく。それがなくて一番良かった」と振り返る。

4年ほど前の夏、女子中学生が駐在所を訪ねてきた。「警察官には、どうしたらなれますか」。真剣なまなざしの少女に、どうして志すのかを尋ねた。「(神田警部補が)制服で見守ってくれている姿が安心できる。私も街の人を安心させたい」。40年ほど前の「あの日」、自分が警察官になろうとした理由と同じだった。

《人々の安全を守るために積極的に行動してくれているので戸倉の治安がいいのだと思う》

少女は神田警部補の話を夏休みの自由課題にそうまとめた。「この上なくうれしかった」と振り返り、「定年退官するまで、目の前の日々に全力投球したい」と、街の安心の象徴であり続けることを誓った。

(宮野佳幸)

かんだ・きよと 東京都出身。昭和57年入庁。第2自動車警ら隊、留置管理1課などを経て平成25年から現職。妻の千秋さん(60)との間に長女(32)と次女(30)。夫婦ともに埼玉西武ライオンズファンで、本拠地のメットライフドーム(埼玉県)に何度も足を運んでいる。見回りと健康維持を兼ねた散歩も趣味。57歳。

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