【主張】日大理事を逮捕 大学は説明責任を果たせ - 産経ニュース

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日大理事を逮捕 大学は説明責任を果たせ

日本大学の体質が招いた事件であると言わざるを得ない。全国最多7万人超の学生が在籍するマンモス大学は理事の逮捕に至ってもまた、説明から逃げるのか。

日大の付属病院の建設工事をめぐり、日大側に損害を与えたとして、東京地検特捜部は背任容疑で、日大理事の井ノ口忠男容疑者と大阪市内の医療法人グループ「錦秀会」の前理事長、籔本雅巳容疑者を逮捕した。

昨年2月、井ノ口容疑者が取締役を務める関連会社「日本大学事業部」が付属病院の建て替え計画事業で、日大側が設計会社に業務の手付金として支払った約7億3千万円のうち、2億2千万円を籔本容疑者が全株式を保有するコンサルタント会社に送金させて日大側に損害を与えた疑いがある。

資金の移動先については、さらに捜査を進める。特捜部は日大の田中英寿理事長も任意で聴取し、同氏の自宅などの家宅捜索を行った。日大は理事の逮捕を受け「ご心配、ご迷惑をおかけし、深くおわびする」などとするコメントをホームページに掲載した。

田中氏の信任が厚く、同大アメリカンフットボール部の有力OBでもある井ノ口容疑者の名は、平成30年の同部部員による危険タックル事件でも登場していた。

大学が設けた第三者委員会の報告書によれば、井ノ口容疑者は事件当事者の選手と父親を大学に呼び出し、監督の関与がなかったと説明するよう求めて「(同意してくれれば)一生面倒をみる。そうでなかったときには、日大が総力を挙げてつぶしにいく」と恫喝(どうかつ)まがいの口封じを行っていた。

この責任を問われて井ノ口容疑者は理事を辞任したが、外部への十分な説明がないまま、一昨年12月に日大事業部の役員に復帰し、昨年9月には日大理事にも再び選任されていた。

報告書は、田中氏の責任についても「公式の場に姿を見せることもなく、自らの見解を明らかにすることもなく、およそ一切の外部発信を行っていない状況にある。田中理事長は、日大の最高位の立場にある者として、自ら、十分な説明責任を果たすべきである」と言及していた。

指摘は顧みられず、新たな事件を招いた。ここでもまた頰(ほお)かむりで逃げ切れると算段しているなら大学に未来はない。田中氏は自ら明確な説明を尽くすべきだ。