サッカー日本代表のW杯出場に黄信号、森保監督の進退問題浮上も

サウジアラビアに敗れ、厳しい表情の森保監督(右)=ジッダ(共同)
サウジアラビアに敗れ、厳しい表情の森保監督(右)=ジッダ(共同)

サウジアラビアに敗れて早くもW杯アジア最終予選で2敗目を喫し、森保監督の進退が取り沙汰されるのは避けられない情勢だ。森保監督は試合後、「諦めなければ、必ずW杯に行ける切符はつかみ取れると思っている」と巻き返しに向けて変わらぬ意欲をみせたものの、いつ何が起きても不思議ではない。

W杯アジア予選中における日本の指揮官交代は、1997~98年に行われたフランスW杯アジア最終予選であった。10チームが5チームずつ2組に分かれて2回戦総当たりで争い、各組首位がW杯出場、各組2位同士によるプレーオフの勝者もW杯に出場する規定だった。日本サッカー協会は97年10月、4試合を終えて1勝2分け1敗だった加茂周監督を解任し、コーチだった岡田武史氏を昇格させた。

今回のカタールW杯アジア最終予選は12チームが6チームずつ2組に分かれて2回戦総当たりで争い、各組2位までがW杯に出場する規定で、W杯出場枠や最終予選の残り試合数が異なるため比較は難しい。今大会と同じ規定だった前回のロシアW杯アジア最終予選で日本を率いたハリルホジッチ監督は初戦を落として進退を問われながら、その後は6勝2分けの快進撃で出場権を獲得。3試合を終えて1勝2敗の森保監督の状況はより厳しく、去就問題が浮上するのは当然といえる。

現場トップの交代にはメリットとデメリットがある。荒療治によって選手の責任感や危機感を刺激する効果が期待できる一方、チーム内に走った動揺を12日に迫るオーストラリア戦に引きずる恐れもある。ただ、日本協会が森保監督の指導力を見限ったのであれば迅速な決断が求められる。岡田監督が青天の霹靂(へきれき)だった就任後の残る4試合を2勝2分けで乗り切ってグループ2位を確保し、プレーオフの末にW杯初出場へ導いた前例もある。

オーストラリア戦後も11月にベトナム、オマーンとのアウェー2連戦、来年1~2月に中国、サウジアラビアとのホーム2連戦とW杯最終予選の試合は次々にやってくる。サウジアラビア戦の前に日本協会の田嶋幸三会長は「信頼は揺るがない。ナンバーワンのコーチだと思っている」と森保監督に絶大の信頼を寄せていたが、W杯出場に黄色信号がともり始めた中で日本協会は難しい判断を迫られている。