〈独自〉日大理事 背任で立件へ 東京地検 2億円流出主導疑い

日本大学事業部に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=9月8日午後1時6分、東京都世田谷区
日本大学事業部に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=9月8日午後1時6分、東京都世田谷区

日本大学の付属病院の建設工事をめぐり、約2億円を外部に流出させ、日大側に損害を与えたとして、東京地検特捜部が背任容疑で日大の関連会社の取締役を務める日大理事(64)を近く立件する方針を固めたことが6日、関係者への取材で分かった。日大理事は流出した約2億円の一部を自分に還流させた疑いもあり、特捜部は自分の利益を図るためなどに不正な資金移動を主導したとみて、国内最大規模の大学が絡む背任事件の全容解明を進める。

関係者によると、日大は医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の老朽化に伴い、建て替え工事を計画。契約交渉などを日大理事が取締役を務める関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)に業務委託した。入札は昨年行われ、東京都内の設計会社が約24億円で受注し、日大側から設計費の一部である約7億円が支払われた。

日大理事は、設計会社側に対し、大阪市内の医療法人グループの前理事長(61)=9月に辞任=の関係先に、2億円超を送金するよう指示したとされる。関係先は業務実体のないペーパーカンパニーで、送金に見合う対価は確認されていないという。

特捜部は、日大理事が医療法人グループの関係先に資金を流出させることを前提に、日大側に設計費の一部を支出させ、損害を与えた疑いが強まったとして、背任容疑での立件が可能と判断したもようだ。

関係者によると、医療法人グループの関係先から、一部資金が日大理事に還流されたとみられ、特捜部は詳しい使途などについても捜査を続けている。

特捜部は9月に日大本部や日大事業部などを背任容疑の関係先として家宅捜索。日大理事を重用してきたとされる大学トップの田中英寿(ひでとし)理事長(74)にも任意で事情聴取したが、田中氏は資金流出について「知らない」などと関与を否定している。