作曲家のすぎやまこういち氏死去 「ドラゴンクエスト」「恋のフーガ」

作曲家のすぎやまこういちさん=2018年10月17日、東京都港区南麻布(寺河内美奈撮影)
作曲家のすぎやまこういちさん=2018年10月17日、東京都港区南麻布(寺河内美奈撮影)

人気ゲーム「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」シリーズの音楽などを手掛けた作曲家、すぎやまこういち(本名・椙山浩一)氏が9月30日、敗血症性ショックのため死去した。90歳だった。葬儀・告別式は近親者で行った。後日、「お別れの会」を行う予定。

昭和6年に東京で生まれ、東大卒業後の31年に文化放送に入社。33年には開局1年前のフジテレビに移籍し、音楽番組「ザ・ヒットパレード」などの演出を手掛けた。

退社後は作曲活動に専念。作曲家としてザ・ピーナッツの「恋のフーガ」、ヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」などを手掛け、ポップス作曲家の草分け的存在として活躍。自ら命名したザ・タイガースの「花の首飾り」も作曲するなど、当時のグループサウンズブームを支えた。数多くのCM曲や競馬のファンファーレなどを作曲し、オーケストラの指揮者としても活動した。

61年からはドラクエの音楽を手掛け、30年以上にわたり同シリーズの作曲を担当。ゲーム音楽界の巨匠として多大な影響を与えた。平成28年には「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」として、ギネス世界記録に認定された。

言論人としても活動し、12年に自らが発起人代表となり「一票の格差を考える会」を設立。産経新聞の投書欄にも一読者としてたびたび投稿し、北朝鮮問題などについて、幅広い議論を訴えた。

30年、旭日小綬章。令和2年、文化功労者。


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