【経済#word】#社内炭素価格 企業が積極導入 投資判断に活用(1/3ページ) - 産経ニュース

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#社内炭素価格 企業が積極導入 投資判断に活用

企業による脱炭素化の取り組みの一環として、事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)の排出量に独自の値段をつけて費用換算し、投資判断に組み入れる動きが広がっている。「社内炭素価格(インターナルカーボンプライシング、ICP)」と呼ばれる仕組みで、企業の脱炭素化の加速につながると期待されている。政府が2050年の温暖化ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を打ち出し企業への負担増を模索する中、企業が自発的に脱炭素をすすめるという「自衛措置」の側面もありそうだ。

■設備投資の動機に

「より低炭素の設備投資にインセンティブ(動機づけ)を持たせたい」

日立製作所の祝園(いわぞの)康幸サスティナビリティ推進本部環境部部長は、ICP拡充の狙いを説明する。

同社は9月13日にサプライチェーン(供給網)全体のCO2の排出量を50年度までに実質ゼロにする方針を発表したが、併せて打ち出したのが2年前に導入したICPの拡充だった。具体的には、社内で設定しているCO2の価格(炭素価格)を、従来の1トン当たり5000円から1万4000円に引き上げた。

ICPの炭素価格は、各社が独自に国際エネルギー機関(IEA)の予測や同業他社の動向などを参考にしながら設定しており、一般的には1トン当たり1000~3000円が多い。「価格が高いイコール脱炭素に熱心」とは必ずしもいえないが、日立の場合は当てはまるという。

■「見える化」の効果

多くの企業がICPに期待しているのは、「見える化」の効果だ。排出量を金額で把握できれば、企業は排出削減の目標を設定しやすくなるほか、関連情報の開示もしやすくなる。もちろん日立のように、排出削減の社内意識を高め、低炭素の投資を増やす効果も期待できる。

たとえば新しい製造設備を導入する場合に、CO2排出量の多い設備とそうでない設備があるとする。設備自体の費用は後者の方が高くても、炭素価格を基に算出したCO2排出コストを足し合わせて比べると、むしろ安くなるケースもある。投資判断にはさまざまな要素が絡むため、常に後者が選ばれるとはかぎらないが、コストアップになりがちで敬遠されることの多かった低炭素の投資を選びやすくなるのは確かだ。