岸田政権、総裁選公約実現に苦慮 中長期課題多く - 産経ニュース

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岸田政権、総裁選公約実現に苦慮 中長期課題多く

臨時閣議に臨む岸田文雄首相=7日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
臨時閣議に臨む岸田文雄首相=7日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は看板政策である「新しい資本主義実現会議」の初会合を月内に開く方針を固めた。首相が目指す「成長と分配の好循環」実現のためで、メンバーは閣僚や有識者で構成する。同会議を含め、首相が自民党総裁選で掲げた政策は中長期的に取り組むべき案件が多く、具体的な成果を示すまで時間がかかり、滑り出しで苦慮しそうだ。

首相は7日、静岡市内で行った街頭演説で、「新しい資本主義」に関し「新しい時代の経済成長を実現したい。要は皆さんの所得を、給与を引き上げる経済を作っていかなければならない」と訴えた。同時に、次世代を牽引(けんいん)する成長分野として量子やバイオ、デジタルなどを挙げ「私は成長と分配の好循環を作っていきたい」と強調した。

岸田政権は「令和版所得倍増計画」「デジタル田園都市構想」「健康危機管理庁」などを目玉政策に掲げるが、どれも一朝一夕には実現が難しいテーマが並ぶ。「所得倍増」「田園都市構想」は、池田勇人、大平正芳両元首相ら宏池会(現岸田派)の先人が打ち出した概念を援用した。

宏池会から30年ぶりに頂点に立った首相自身の意気込みの表れといえるが、ある閣僚は「一連の政策を実現することで具体的にどういう社会になるのか。その点を国民にイメージしてもらえるよう努力しなければならない」と語る。

ほかにも成果が見えにくい課題が多い。政府の有識者会議が検討している安定的な皇位継承策は今後、答申を踏まえて政府が国会報告に臨む。ただ、国論を二分しかねないテーマで、来年夏の参院選を控え二の足を踏む可能性もある。首相が任期中の実現を目指す憲法改正も同様だ。

とはいえ、首相は新型コロナウイルス対策中心の数十兆円規模の経済対策や、看護師や介護士らの報酬引き上げなど、成果を実感してもらいやすい政策への弾込めにも気を配る。菅義偉政権は国民生活に密着した個別政策を矢継ぎ早に実現した。首相の政治手法は対照的だが、中長期的な政策課題と短期的成果のバランスが安定的な政権運営のカギを握る。(千田恒弥)