【ソウルからヨボセヨ】総背番号制の余波 - 産経ニュース

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ソウルからヨボセヨ

総背番号制の余波

「お客さまの携帯電話の名義と顧客情報が一致せず、利用約款に従い、発信が停止されます」。通信会社から最近、こんな警告文を突然、受け取り驚いた。携帯電話は職場名義だが、何かいじった覚えはない。原因は、韓国の税務当局がしばらく前に職場の「固有番号」を変更したせいだと分かった。

韓国では外国人も含めて全住民に「住民登録番号」が割り振られている。日本では〝国民総背番号制〟とも呼ばれる「マイナンバー」に当たるが、個人情報保護の観点から実用がなかなか進まない日本と違い、韓国ではあらゆる場面でこの番号を活用。新型コロナウイルスの感染検査やワクチン接種、補助金支給でも素早い実施に効果を発揮したといわれる。

会社事務所などにも同じように「固有番号」が割り振られているが、当局が業務の便宜上、外国メディアの支局などの番号を整理し直して変更してしまったのだ。事務所側が銀行や通信会社に一件一件変更を申告しなければ、金融手続きを含め、事務業務の大半がストップしてしまう。

当局の告知が不十分だったのか、番号の変更など想定していなかった銀行や通信会社の担当者も一様に困惑し、事情を説明するだけで一苦労。番号なしには身動きできない社会の実情を痛感した。(桜井紀雄)