参院2補選 首相評価の試金石 野党共闘は不成立

参院静岡選挙区補欠選挙が告示され、街頭演説に耳を傾ける人たち=7日午後、静岡市
参院静岡選挙区補欠選挙が告示され、街頭演説に耳を傾ける人たち=7日午後、静岡市

岸田文雄首相(自民党総裁)の初陣となる参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙が7日、告示された。衆院選(19日公示、31日投開票)の前哨戦と位置づけられる補選で、首相としては「選挙の顔」になり得ることを結果で示したいところだ。一方、衆院選で共闘を目指す立憲民主党や共産党などは今回は共闘せず、野党内で温度差が出ている。

「大型の経済対策をしっかりやらなければならない。選挙を通じ、岸田に任せるかどうかを判断してもらわなければならない」

首相は7日、JR静岡駅前に集まった聴衆にこう訴えた。両補選は首相の政権運営を占う試金石になる。自民は菅義偉前政権下で行われた4月の衆参3選挙で全敗し、6月の静岡県知事選でも立民などの支援を受けた現職に敗れた。

新政権でも苦戦すれば首相への不安が増すことになり、来年夏の参院選に向けて「岸田降ろし」も起きかねない。裏を返せば、緒戦を制すれば政権運営は軌道に乗る可能性が高く、「首相のデビュー戦で負けるわけにはいかない」(岸田派若手)との声が上がる。自民の甘利明、公明党の石井啓一両幹事長は7日、国会内で会談し、両補選の勝利に向け連携することを確認した。

これに対し、野党の足並みはそろっていない。立民は補選を衆院選の前哨戦と位置づけず、推薦候補が立候補した静岡補選で、共産が後から公認候補を擁立したことを事実上容認した。

静岡補選の推薦候補の出陣式にも党役員を送り込まず、杉尾秀哉副幹事長が演説した。従来、当選者1人の1人区で野党統一候補を立てる方針で、2人区の静岡選挙区は来年の改選時に共産も出馬するとみられるため、一本化に積極的に動かなかった。枝野幸男代表は7日の記者会見で「衆院選とは全く違う次元で動いている」と述べた。

枝野氏は前哨戦との位置づけも否定し「政権選択選挙(衆院選)をどう戦うかに全力を挙げたい」と強調。補選への応援入りは「ちょっと余裕はない」と突き放した。

一方、国民民主党は玉木雄一郎代表が出陣式に参加した。記者団に「前哨戦の位置づけだ。勝てれば野党側にとっても非常に大きな弾みになる」と述べ、共産候補の立候補に不快感を示した。

山口補選では、立民は候補者擁立を断念。共産新人への推薦や支持も出しておらず「不戦敗」となった。