2011年3月11日に起きた東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被害に遭った福島県浪江町立請戸小が、教訓を後世に伝える震災遺構として今月24日から一般公開されることになり、7日報道陣向けの内覧会があった。高さ約15メートルの津波にのまれた校舎1階は、壁が剝がれ天井に書類が引っ掛かったままを保存、2階には行方不明者の捜索に当たった自衛隊員らがメッセージを残した黒板などが展示されている。
原発事故の影響が続く福島県では初めての震災遺構となる。
同校は福島第1原発の北約5キロ、海岸から約300メートルに位置。周辺は約6年間、避難指示区域となった。
震災時、校内に児童と教員の計95人がいたが、地震直後に校長の誘導で約1キロ離れた高台への避難を開始して全員無事だった。請戸地区では津波で127人が死亡、27人が行方不明となった。