北九州市などを走る筑豊電気鉄道(筑鉄、福岡県中間市)の路線で、大阪の路面電車・阪堺電気軌道(阪堺、大阪市)のカラーリングを施した電車が活躍している。
両社の車両カラーを交換するコラボ企画の一環。筑鉄沿線には「明治日本の産業革命遺産」を構成する「遠賀川水源地ポンプ室」、阪堺沿線には「百舌鳥(もず)・古市古墳群」という世界遺産がそれぞれあり、同じメーカーの電車を使用しているという縁もある。共同で沿線のPR活動をしようと、阪堺側が企画を持ちかけた。
昨年は、「赤電(あかでん)」と親しまれた筑鉄の車両の赤色を塗装した路面電車が阪堺に登場。3年間の予定で堺市内などを走っている。
赤電はもともと、筑鉄の親会社・西日本鉄道(福岡市)が平成12年まで北九州市内などで運行していた路面電車の愛称。廃線後に一部路線を引き継いだ筑鉄の車両として、18年まで活躍した。路面電車廃線から20年に合わせ、昨年、筑鉄の路線でも復活した。
今回は濃い緑に黄色のラインが入った「ビークルスター」と呼ばれる阪堺のカラーリングを、筑鉄の1編成に施した。今年7月から3年間の予定で運行している。
筑豊電気鉄道運輸車両課の古賀智行さん(52)は、「阪堺カラーの電車で、遠賀川水源地ポンプ室などの沿線観光を楽しんでほしい」と話している。