崩落の引き金は鳥の糞?「聞いたことない」専門家は慎重

一部が崩落した「六十谷水管橋」=6日、和歌山市 (藤崎真生撮影)
一部が崩落した「六十谷水管橋」=6日、和歌山市 (藤崎真生撮影)

和歌山市の紀の川に架かる「六十谷(むそた)水管橋」の崩落原因について、橋のアーチと水道管をつなぐ「つり材」部分の腐食という見方が浮上した。腐食の一因と指摘されているのは鳥の糞害だ。

「鳥類は体重を軽くして飛ぶため、糞尿を凝縮した形で排出する。成分はほかの動物に比べ尿酸が強く、木が枯れるほどだ」と説明するのは天王寺動物園の西田俊広さん。橋の上は鳥類にとって見晴らしがよく安全な場所だが、「短期間での糞害で腐食したとは考えにくい。長期間、繰り返し同じ場所に群れていたのではないか」と推測した。

高速道路などでの鳥害対策工事を手がけるエドバンコーポレーション(東京)の土岐(とき)三樹夫顧問も一般論として、「アンモニアと酸が多く含まれた大量の糞が堆積して鉄を腐食させることはある」とみる。だが「巣を作るわけでもなく、羽休めに一時的に止まる程度で構造物が破断するとは考えにくい」とも。「鳥の糞による構造物の崩落は国内で聞いたことがない。腐食部分の成分を分析する必要がある」として慎重な見方を示した。

橋の維持管理に詳しい宮崎大工学部の森田千尋教授(構造工学)は、崩落の動画を見た上で「アーチと水道管をつなぐ場所に何らかの原因で水がたまり、腐食して破断したのではないか」と雨水などの影響を指摘。和歌山市も複合的な要因を挙げており、原因特定にはなお時間を要するとみられる。(石川有紀、小川原咲)

■和歌山の水管橋崩落 鳥の糞害で金属腐食か