【都民の警察官横顔】②「銃器ゼロの国へ」組織犯罪対策5課 西垣猛弘警部補(53) - 産経ニュース

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都民の警察官横顔

②「銃器ゼロの国へ」組織犯罪対策5課 西垣猛弘警部補(53)

捜査車両に乗り込む西垣猛弘警部補=警視庁本部
捜査車両に乗り込む西垣猛弘警部補=警視庁本部

巡査だった平成10年に銃器対策課(現組対5課)に所属して以降、本部や警察署でも銃器捜査に長年携わってきた。

最も印象に残るのは、組対5課で勤務していた10年ほど前の事件だ。「数日前に機関銃が暴力団に手渡された」。耳を疑うような情報が寄せられた。

それまで拳銃を扱ったことはあるが、機関銃を扱ったことはなかった。機関銃は連射可能で、暴力団の抗争に使われれば惨劇は免れず、一般人も巻き込む恐れもある。

慎重な捜査が必要だが、時間を要すれば別の場所に移される可能性も高く、時間との闘いでもあった。

情報に基づき、すぐに神奈川県内にあるマンション一室の張り込みを開始。誰が部屋を借りているのか、どこの組が関わっているのか…。「こんな危ないものを、街中で発砲させてはいけない」。捜査に割ける人数も限られる中、相手に気づかれないように地道に内偵捜査を続けたという。

そして情報のピースをかき集めていき、約1カ月かけて暴力団関係者3人をあぶりだし、マンションの捜索にこぎつけた。半地下のような空間で、ボストンバッグの中に覚醒剤とともに隠されていた機関銃を見つけたときは、ほっと胸をなでおろしたという。

巡査時代から、薬物銃器捜査のスペシャリストが集う警視庁本部で研鑽(けんさん)を積んできた。一番下の階級だからこそ、分からないことは恥を忍んですべて先輩に聞いた。拳銃は小さく、簡単に持ち運びができる。そのため、「幅広く関係先を捜索する必要がある」と心得たのも先輩の教えだ。実際に、容疑者が行きつけの居酒屋に拳銃を預けていたケースもあった。

「若いころから本部に置いてもらい、ありがたい」と感謝を口にする。「銃器ゼロの国を目指す」。その気概をもって捜査を尽くし、先輩の教えを自らの血肉としてきた。「教わったことは財産。それを受け継いでいかないといけない」。今度は自身が後輩に伝えていく番だ。(宮野佳幸)

にしがき・たけひろ 京都府出身。平成3年入庁。荻窪署、第6機動隊を経て、銃器対策課(現組対5課)に。野方署や巣鴨署などにも赴任し、平成28年から3度目の組対5課勤務。妻の美紀さん(47)、長男(22)、次男(15)の4人家族。中高と部活でやっていたテニスや海釣り、キャンプなど多趣味。

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