冬タイヤ商戦、「史上最高性能」競う ブリヂストンなど基幹商品刷新相次ぐ

店頭に並べられたブリヂストンの新製品「VRX3」。いよいよ冬タイヤ商戦が始まった=北海道旭川市
店頭に並べられたブリヂストンの新製品「VRX3」。いよいよ冬タイヤ商戦が始まった=北海道旭川市

今月から本格的に始まる冬タイヤ商戦が例年にない盛り上がりをみせている。暖冬や新型コロナウイルスの影響で、冬タイヤ市場は昨年まで2年連続で落ち込んだ。こうした状況を打開しようと、タイヤメーカー各社は今年の冬タイヤ商戦に合わせて相次いで基幹商品を刷新、「史上最高性能」をうたう新商品を投入しており、販売店側の期待も高まっている。

ブリヂストンが今年の冬タイヤ商戦に投入したのは、スタッドレスタイヤ「ブリザックVRX3」。スタッドレスタイヤの基幹商品である「ブリザック」をモデルチェンジするのは4年ぶりだ。独自技術の発泡ゴムをより進化させることで、従来品である「同VRX2」よりも氷上でのブレーキ性能が20%向上した。

横浜ゴムも独自開発したウルトラ吸水ゴムを採用し、氷上性能を従来品よりも14%高めた「アイスガード7」を投入した。同社によると、「氷上だけではなく雪上性能も高めている」という。

日本グッドイヤーも基幹商品の新製品「アイスナビ8」を発売。積雪路に加え、乾燥路面や雨でぬれた路面での性能向上などを前面に出し、差別化を進める考えだ。

業界団体の日本自動車タイヤ協会によると、令和2年の乗用車向けの国内タイヤ市場は、元年比10%減の4545万本と低迷した。このうち約3分の1に当たる1452万本を冬タイヤ、いわゆるスタッドレスタイヤが占めるが、冬タイヤに限ると12%減と減少幅はより大きかった。ただ、今年は各社が相次いで性能を高めた新商品の投入を進めており、「降雪などの状況にもよるが、冬タイヤで2年比6%増と平成30年以来となる3年ぶりの増加が見込まれる」(日本自動車タイヤ協会広報担当)という。

基幹商品のモデルチェンジは販売店側にとって客を呼び込む絶好のチャンスだ。カー用品大手のオートバックスセブンは「スタッドレスタイヤは冬場の重要な商材。商戦が盛り上がってほしい」(広報担当)と期待を込める。

コロナ禍に伴う制約はいまだに残る。ブリヂストンは販売会社などに対する商品説明会はオンラインで実施。試乗会も再開したが、小規模にとどめている。このため、「ネット上の動画コンテンツや特設サイトをこれまでになく強化して備えている」という。

ただ、冬タイヤ商戦に合わせるかのように、緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置は9月30日をもって全国で解除された。各社からは「コロナ禍以前の水準まで販売を戻していく」(日本グッドイヤー広報担当)などの声が聞かれ、氷雪上の熱戦は早くも始まっている。(青山博美)