千葉・児童5人死傷事故 検察側、被告の常習性指摘 高速で蛇行も - 産経ニュース

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千葉・児童5人死傷事故 検察側、被告の常習性指摘 高速で蛇行も

下校中の小学生5人が飲酒運転の大型トラックにはねられ死傷した事故の初公判で、傍聴券を求めて列をつくる人たち=6日午前、千葉地裁前
下校中の小学生5人が飲酒運転の大型トラックにはねられ死傷した事故の初公判で、傍聴券を求めて列をつくる人たち=6日午前、千葉地裁前

千葉県八街市で6月、飲酒運転で下校中の市立朝陽小の児童5人を死傷させたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪に問われた、梅沢洋被告(60)の6日の千葉地裁での初公判。検察側は冒頭陳述などで、昼食で飲酒し、「仮睡状態」で事故に至った経緯のほか、取引先が被告の会社に「酒の臭いがするが大丈夫か」と警告していたことや、昨年から仕事中に飲酒し、同僚からの注意も聞き流していた飲酒運転の常習性などを次々に明らかにした。重体だった女児は、今も懸命にリハビリを続けていることも分かった。

昼食で飲み干す

紺色のシャツに黒のジャケット、紺色のパンツで出廷した梅沢被告。裁判長による人定質問の際には「もう少し大きめの声で」と言われる場面も。罪状認否で裁判長から起訴内容に間違いないか問われると「ないと思います」とはっきり答えた。その後は、椅子に深く腰掛け、終始うつむきがちに。証拠調べで、法廷で事故前の防犯カメラの様子がモニターに映し出された際には、数回、大きく息を吐いていた。

梅沢被告は十数年前からトラックの運転手として勤務し、以前は13トントラックを運転していたが、平成30年5月に交通事故を起こし、その後、事故を起こしたタイプと同じ7トントラックを運転するようになったという。

事故当日の6月28日。取引先で資材の積み下ろしを終え、東京から八街市の勤務先へ戻る途中、市川市のコンビニでアルコール度数20度、220ミリリットルのカップ入り焼酎を購入。午後2時27分に船橋インターから高速道路に進入すると、千葉市の京葉道路幕張パーキングエリアで車を止め、昼食とともに焼酎を飲み干し、午後2時55分ごろに運転を再開した。

防犯カメラなどには、車体が左右に揺れたり、ウインカーを点滅させたまま走行したりと挙動不審な様子が記録されていた。また、佐倉インターで高速を降りて、一般道を走行し、事故現場の約120メートル手前から仮睡状態に陥った。そして左前方へ斜行。道路脇の畑に脱輪し、電柱をなぎ倒して児童の列に突っ込み5人を次々にはねた。

常習的に飲酒運転か

「被告人は昨年中には飲酒した状態で運転するようになった。取引先から『酒の臭いがする』と苦情があり、同僚から注意されたにもかかわらず、聞き流して運転を続けた」

冒頭陳述で検察側は、梅沢被告の飲酒の常習性と悪質性をこう指摘した。さらに証拠調べでは、「4~5年前から月4回程度、仕事で被告人と会った。時折、酒の臭いがしたので、前日深酒をしたのかと思っていた。昨年夏ごろには(被告の勤務先の)工場長に『酒の臭いがするが大丈夫か』と電話で警告した」という内容の取引先の調書や、「被告人が酒を飲むと寝てしまうのを見たことがある」との同僚の調書が読み上げられた。

検察は自動車運転処罰法5条の過失運転致死傷罪(法定刑の上限懲役7年)より重い同法3条の危険運転致死傷罪(同懲役15年)で起訴している。検察はこうした証拠などから、梅沢被告が常習的に飲酒運転を繰り返していた悪質性や、事故当日は飲酒によって正常な運転が困難だったことなどを立証したいものとみられる。

現在もリハビリ

初公判には被害者参加人として、被害に遭った児童の保護者も参加した。裁判所によって遮蔽措置が取られ、傍聴席からその姿をうかがうことはできなかったが、証拠調べでは、被害児童の保護者の調書の概要も読み上げられた。

事故当時重体だった女児の保護者の調書には、意識を取り戻し、現在はリハビリを行っていることや後遺症の状況が書かれているという。小学校関係者や事故前に児童を目撃した人の調書の概要では、縦1列に並んで下校するよう指導がされていたことや、事故直前に子供たちが整然と並んで歩いていたとの下校時の様子が読み上げられた。

第2回公判は11月15日午後1時半から、証人尋問や被告人質問が行われる予定。