酒提供も「認証」さまざま 「分かりにくい」の声 - 産経ニュース

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酒提供も「認証」さまざま 「分かりにくい」の声

新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が全国で解除され、飲食店では酒類の提供も始まった。飲食店への緩和策は、東京都をはじめとした各自治体で感染症対策を確認した「認証店」と未チェックの「非認証店」などで差をつけるケースが多いが、認証の有無にかかわらず一律で酒類提供を可能とする自治体もある。地域で異なる対策が講じられる中、飲食店などの反応もさまざまだ。(永井大輔、藤木祥平)

区別しにくい

「認証店と非認証店の違いがわかりにくい」。宣言が解除された1日、東京・新橋の居酒屋のオーナーからこんな声が聞こえた。オーナーは「誰も確認に来ていないが、都のサイトから印刷できるこのステッカーを貼れば認証店でよいのだろうか」と首をかしげていた。

都内の認証店制度は今年4月に導入された。手指消毒やマスク着用など20項目の基準を満たしているかを都が実際に確認し、飲食店に認証マークをメールや郵送で交付する。認証店は酒類の提供など制限が緩和された中で協力金を受け取ることができる。10月1日時点で約9万5千店が認証済みだ。

この認証マークは、自分で感染対策を講じたものの都の点検を受けていない非認証店も掲示できるマーク(感染防止徹底宣言ステッカー)と類似。非認証店のものは都のサイトから印刷でき、飲食店や利用者が区別できていないケースもある。

都の担当者は「下地が青になっているのが点検済みの店。店舗側はよく見える所に掲示し、利用者もなるべく点検済みの店を選んでほしい」と話している。

早い段階で点検を受け、掲示していた飲食店では、夏の日差しで色が落ちて青色が目立たない店もあり、利用者は注意深くチェックする必要がありそうだ。

大阪府でも、感染防止対策を徹底している飲食店を府が認証する「ゴールドステッカー制度」が運用されている。認証には43項目の対策を確認した書類と、それを裏付ける写真を府に提出する必要があり、申請に時間がかかってしまうケースもある。

ステッカーを取得した大阪市淀川区の「とも吉 十三店」の店主、久保田了一さん(58)は「書類に不備があり3回ほど申請をやり直した。最初の申請からステッカー到着まで3カ月近くかかった」と明かした。

一律解除の自治体も

認証のハードルが非常に高いかわりに、優遇措置が大きい自治体もある。

千葉県では、認証店、確認店、その他の飲食店の3つに分ける緩和策を実施。認証店は、営業時間や酒類提供の制限を設けず通常営業ができるが、二酸化炭素濃度測定器による換気の確認や、客同士の間隔を1メートル以上確保するなど63項目のうち49項目を満たさなければ認証されない。

10月1日時点で認証店は44店とハードルは高く、基準を満たすために店舗の改装が必要な場合もある。

一方、静岡県は認証の有無にかかわらず制限を全面解除した。静岡県の川勝平太知事は「要請に協力いただいたおかげで、8月25日以降、飲食店などに由来するクラスターは確認されていない」と理由を説明。一方で、「これまでの経験を基に基本的な感染症対策を実践し、外出時は混雑をさけてほしい」とも呼びかけた。