日本の伝統行事である祭りが危機的状況に追い込まれている。高齢化による担い手不足などで参加者が減る中で新型コロナウイルス禍に襲われ今年も中止が相次ぐからだ。このままでは伝統文化を維持できず、観光客誘致も難しい。祭りの魅力発信と新たなファンの獲得が課題となっている。
全国に約30万あるといわれる祭りの市場規模はコロナ禍前、1兆4000億円だった―。こう試算するのは「祭りで日本を盛り上げる!」をミッションに掲げるオマツリジャパン(東京都渋谷区)だ。
加藤優子社長は「祭りは地域交流や経済活動に欠かせないが、高齢化や資金不足など多くの課題を抱えている。しかもコロナ禍で令和2年以降、祭りのにぎやかな部分は中止に追い込まれ、経済的に大きな打撃となっている」と指摘、市場規模の縮小は避けられそうにない。