引揚者へのメニュー、小中学校の給食に 京都・舞鶴市

舞鶴地方引揚援護局が引き揚げ者に提供したメニューを味わう児童ら=京都府舞鶴市
舞鶴地方引揚援護局が引き揚げ者に提供したメニューを味わう児童ら=京都府舞鶴市

京都府舞鶴市が制定した「舞鶴引き揚げの日(10月7日)」を知ってもらおうと、同市は6日、市内の小中学校で、舞鶴地方引揚援護局が引き揚げ者に提供したメニューを給食にする取り組みを始めた。同日は市立志楽小学校(同市小倉、児童367人)で「アジとジャガイモの天ぷら」と「カレー汁」が出され、児童らが味わった。このメニューは14日まで順次、小中学校計25校で提供される。

「10月7日」は昭和20年に引き揚げ第一船の雲仙丸が舞鶴港に入港した日。同市では、昭和20年11月~33年11月に舞鶴地方引揚援護局が設けられ、引き揚げ者の帰国手続きを担当した。引き揚げ者は援護局に最大で約1週間宿泊し、新しい日本の社会や憲法などについて学び、この間、食事が提供された。

今回の給食メニューは「舞鶴地方引揚援護局史」(昭和36年刊行)に記録されている昭和33年のメニューを再現。この日、志楽小6年1組の教室では児童28人が引き揚げ者が味わったメニューを口にした。

前野くるみさん(12)は「おいしかった。外国で苦労した昔の人が食べたとき、帰ってきてよかったと感じたと思います」。同校の西井佳寿美校長は「引き揚げについて事前学習して、児童は8日に引揚記念館を訪問する予定です。今回の給食は舞鶴の歴史を学ぶ良い機会になりました」と話していた。

同市は平成30年10月に市条例で「10月7日」を「舞鶴引き揚げの日」に制定。引き揚げとシベリア抑留の史実、引き揚げ者を迎え入れた同市の歴史を次世代に継承し、平和への意識の高揚を目指している。

同市が引き揚げの日を知る市民について調査した結果、令和元年度は33%、令和2年度は62%で、3年目の今年度に認知度100%を目標にしている。