「中国は25年にも台湾侵攻可能」 国防部長が危機感

中国軍の戦闘機「殲16」(台湾国防部提供・共同)
中国軍の戦闘機「殲16」(台湾国防部提供・共同)

【台北=矢板明夫】台湾の邱国正(きゅう・こくせい)・国防部長(国防相に相当)は6日、立法院(国会)での答弁で、中国軍の能力について「2025年にも本格的な(台湾への)侵攻実施が可能になる」との認識を示した。その上で、中国と台湾の軍事的緊張が過去「40年余り」で最も高まっているとし、強い危機感を示した。

邱氏は戦力強化に向けた2400億台湾元(約9600億円)の特別防衛予算案の審議で語った。最近の台湾海峡情勢について、軍人出身の邱氏は自身の感想として「軍に入隊してから40年余りのキャリアの中で、今の状況は最も深刻だ」とも強調した。

中国による武力侵攻の可能性については「(中国が)現時点で侵攻すれば大きな代償が伴うが、25年には代償が小さくなり、全面的侵攻が可能になる」との見解も示した。

国防部が立法院に提出した報告書では、中国が25年にも台湾海峡周辺を封鎖する能力を備えるとも予測。台湾の防衛力にとって「大きな試練を迎える」と警戒感を示した。

特別防衛予算は台湾の自主開発の対艦ミサイルや防空システム、小型艦の量産などに使われる予定で、国防部は予算案の速やかな可決を求めている。

台湾海峡をめぐっては、1日から4日にかけて中国軍機計149機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入。中国は挑発行為を繰り返すと同時に、強襲揚陸艦や原子力潜水艦などの戦力増強も図っている。