コロナ禍「バス業界は戦後最大の危機」

「人が動ける世の中にと言いましたが、感染者増の次の山が来ないのが大前提です。緩みすぎてまた正月、ゴールデンウイーク、盆に山が来てしまっては困ります。ワクチンに加え、これから治療薬が出て、医療機関が大丈夫だということになれば、安心感が出て人は動くと思います。みんな1年半以上、旅行をがまんしたのですから。旅行したいという気持ちはふくらんでいます。交通機関を利用するときは、マスクするなど対策をきっちりとすることが一番大事です。これからは人の流れを止めるやり方ではなく、気を付けながら動いてくださいという方向に行ってほしいです」

--日本バス協会会長として取り組みたいことは

「デジタル化を図り、バス事業を未来ある産業にしたいです。デジタル庁もできて、世の中、どんどんスマートフォンで何でもできる世の中になっていきます。MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)は、ICTでスマホを使って予約ができたり決済ができたりする。それを見せれば、乗り降りができ交通はどんどん進化しています。バスもスマホですべてが完結するようにしたい。コスト削減もしなければいけませんが、安全はすべてに優先します。車両にはコストがかかりますが必要な投資です。人も育てなければいけない。そういうことは抜かりなくやっていきます。安全は運輸事業の根幹で、われわれの義務であり誇り。コロナでどんなにしんどくてもそこは揺らぎません。会社としてもバス業界としても信頼を一番に考えます」(聞き手 村上栄一)

しみず・いちろう 東大法学部卒、英ケンブリッジ大大学院修了。平成2年に運輸省(現国土交通省)入省後、在英日本大使館参事官、観光庁観光戦略課長などを経て退官。26年に伊予鉄道(現伊予鉄グループ)副社長、27年から社長。令和3年6月から日本バス協会会長に就任。松山市出身。