コロナ禍「バス業界は戦後最大の危機」

伊予鉄バスの路線バス乗り場=松山市
伊予鉄バスの路線バス乗り場=松山市

新型コロナウイルス禍で止まった人の動き。観光や飲食など各方面で苦境が報じられる中、バス業界はかつてない危機的状況に見舞われている。今年6月、日本バス協会会長に就任した伊予鉄グループ社長の清水一郎氏(53)は「バス業界は本当に死活問題。せめて次の年末年始は人が動ける社会になるよう願っている」と語った。

--新型コロナのバス事業への影響は

「この1年半、これだけ人の動きが止まると、バス業界はどうやって生きていくのかというくらい厳しい状況。戦後最大の危機で、大げさではなく死活問題です。輸送は路線バスで2~3割減、高速バスと貸し切りバスはともに6~7割減となっています。路線バスはコロナの感染拡大前からもともともうけはなく、高速バス、貸し切りバスとの兼業でなんとか利益を上げてきました。それが主要なバス会社の実態です。ところが都道府県を越える人流が抑制されたため、高速・貸し切りバスの需要がなくなった。他業種も苦しいが、バス業界ほど人の動きが止まったことの影響で苦しいところはないと思う」

--路線バスは毎日走っているので、多くの人はそこまで厳しいと知らない

「路線バスは生活に欠かせないサービスで、苦しいからといって休むことができない。乗客がいなくても走らなければならない。地域の生活の交通としてどうしても必要で、われわれは路線を維持するため必死です。日々、安全に人を運ぶことをコツコツとやっています。だけど民間会社だから、やれることには限界がある。そういうことをぜひ知ってほしいです。確かに皆さんが見ているバスは動いているから、まあなんとかなっているのだろうくらいに思われています。しかし、このままではバス業界は倒れてしまう。そういう切実な声は世の中に届いていないでしょう。そこまでしんどいのだということを理解してもらいたい」

--路線バス事業は公的支援を受けているのではないのか