戦闘機など4日間で計149機 「中国は台湾威圧停止を」

中国軍の爆撃機「轟6」(台湾国防部提供・共同)
中国軍の爆撃機「轟6」(台湾国防部提供・共同)

サキ米大統領報道官は4日の記者会見で、中国軍の戦闘機などが台湾の防空識別圏に進入したことに関し「台湾への軍事、外交、経済的な威圧を止めるよう中国に強く求める」と述べ、強い懸念を示した。外交ルートを通じて「明確なメッセージ」を中国に伝えたことも明らかにした。台湾も4日「無責任な挑発行為」の停止を中国に要求した。

4日、米ワシントンのホワイトハウスで記者会見するサキ大統領報道官(AP=共同)
4日、米ワシントンのホワイトハウスで記者会見するサキ大統領報道官(AP=共同)

中国軍用機は今月に入り台湾の防空識別圏に連日進入。4日に進入したのは異例の56機で、4日間で計149機に達した。情勢を不安定化させ偶発的な衝突のリスクが高まるとして米政府は批判を強めている。米台の連携を嫌う中国が、さらに反発する可能性がある。

サキ氏は、中国軍の進入は、地域の平和と安定を損なう行為だと批判。「米国の台湾関与は極めて堅固なものだ。台湾海峡の平和と安定の維持に向け役割を果たす」と表明した。(共同)

中国軍の戦闘機「殲16」(台湾国防部提供・共同)
中国軍の戦闘機「殲16」(台湾国防部提供・共同)

◇「無責任なシグナルだ」

中国外務省の華春瑩報道局長は4日、談話を発表し、進入を巡り米国が懸念を示していることに「無責任なシグナルだ」と反発。米国による台湾への武器売却や軍事連携に関し「断固反対し、必要な対応を取る」と強調した。中国軍の行動が対抗措置の一環であることを強く示唆した。今月に入り台湾防空識別圏に相次いで進入して以降、中国政府の公式見解は初めて。

4日に進入したのは戦闘機「殲16」38機や爆撃機「轟6」12機、対潜哨戒機「運8」2機など。



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