「気候モデルの父」気さくな人柄、後進に励み 沖大幹・東京大教授 - 産経ニュース

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「気候モデルの父」気さくな人柄、後進に励み 沖大幹・東京大教授

真鍋淑郎・米プリンストン大上席研究員=2018年(AP=共同)
真鍋淑郎・米プリンストン大上席研究員=2018年(AP=共同)

「前例のない分野で、ノーベル賞の新時代を開く受賞になる。きっと先生も喜ばれているのではないか」

気候変動の研究を通じ、ノーベル物理学賞を受賞した米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎(しゅくろう)氏と約30年前から交流のある東京大の沖大幹(たいかん)教授は、受賞決定のニュースに喜びのコメントを寄せた。

沖氏は1996(平成8)年、米国留学中に真鍋氏の自宅を訪ね、夕食を共にして泊めてもらったこともあるという。「『気候モデルの父』と呼ばれる偉大な研究者でありながら、おごらず、いばらず、非常に気さくな人柄」。一方、研究で議論を交わす場面では、厳しい一面もあった。「研究者としての思想が優れており、米国でもとても尊敬されていた」。

真鍋氏のファーストネームの「SYUKURO」が米国人には発音が難しいことから、「SUKIYAKI」のタイトルで米国でも流行した坂本九さんのヒット曲「上を向いて歩こう」になぞらえ、同僚らから「SUKI」のニックネームで呼ばれていたという。

平成4年に真鍋氏が地球環境保全で優れた功績をあげた研究者に贈られる「ブループラネット賞」を受賞したことについて、「良かったですね」と沖氏が声をかけると、「でも、地球物理学はノーベル賞にはならないからな」と少し、寂しそうに話していたのが印象に残っているという。

沖氏は「真鍋先生は、気候変動のシミュレーションに、水循環を取り入れた先駆的な研究者。地球規模の人類の課題を扱った研究が、人類の幸福への貢献を掲げるノーベル賞に選ばれたことは革新的であり、後進の研究者にとっても、大きな励みになる」と話した。(緒方優子)