【くじら日記】「森浦湾くじらの海」壮大な計画に飼育冥利(1/2ページ) - 産経ニュース

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くじら日記

「森浦湾くじらの海」壮大な計画に飼育冥利

「森浦湾くじらの海」でジャンプするハナゴンドウ=和歌山県太地町
「森浦湾くじらの海」でジャンプするハナゴンドウ=和歌山県太地町

和歌山県太地町の北西に位置し、三方を山で囲まれ、波があまりたたず穏やかな森浦湾。鯨類飼育の拠点となる区域は約25万8000平方メートル(最大深度14メートル)で、くじらの博物館自然プールの約22倍の広さです。くじらの博物館の飼育員は、「森浦湾くじらの海」で暮らすクジラのお世話にもいそしんでいます。

森浦湾における飼育事始めは2014(平成26)年。クジラの学術研究拠点として鯨類飼育の環境整備を進めるべく「森浦湾くじらの海構想」にのっとり、生け簀1基を設置し、飼育最適種とされるバンドウイルカ2頭を搬入しました。

自然プールと比べ、水質が良く、冬季の水温が比較的高いことなど、飼育環境の特徴もわかってきました。2020(令和2)年には、生け簀は約30基に、飼育種頭数は年間を通して5種100頭以上に拡充したほか、区域を380メートルの網で仕切り、158メートルの海上遊歩道を設置しました。海上遊歩道からは生け簀内のバンドウイルカを観察できるほか、日中は、生け簀から放たれたハナゴンドウなどを観察できます。「構想」は「計画」段階に進み、新たなスタートを踏み出しています。

自由奔放で独創的な発想から生まれた「くじらの海」での飼育もまた規格外。100頭以上のイルカとクジラたちの顔を見分け、それぞれに必要な餌や薬をやり、毎日のちょっとした変化に気付いて健康管理するには、記憶力と観察力が頼り。また、両手に10キロの餌バケツを持ち、1日の大半を洋上で過ごすのには体力も必要です。