岸田内閣発足 首相「新時代共創内閣」と命名

初閣議に臨む(左から)斉藤鉄夫国交相、野田聖子少子化担当相、岸田文雄首相、茂木敏充外相、鈴木俊一財務相=4日午後、首相官邸(川口良介撮影)
初閣議に臨む(左から)斉藤鉄夫国交相、野田聖子少子化担当相、岸田文雄首相、茂木敏充外相、鈴木俊一財務相=4日午後、首相官邸(川口良介撮影)

自民党の岸田文雄総裁(64)は4日、衆参両院本会議の首相指名選挙で第100代、64人目の首相に選出された。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、公明党との連立による岸田内閣が発足した。首相は同日夜に記者会見に臨み、政権を「新時代共創内閣」と名付け、「私が目指すのは新しい資本主義の実現だ」と述べ、成長戦略とともに富の再分配を重視する考えを強調。「新しい資本主義実現会議」を設置し、ポストコロナ時代の経済社会ビジョンを策定する考えを示した。

首相はまた、新型コロナウイルス対策を「最優先の課題」とし、ワクチン接種や医療提供体制の強化を図るとした。これまでのコロナ対策を検証した上で「緊急時における人流抑制や病床確保のための法整備」を進める考えも強調。自民党総裁選で訴えた健康危機管理庁を念頭に司令塔機能の強化を図るとした。

一方、外交・安全保障政策では自由や人権など普遍的な価値を守るとともに、防衛力強化を図るとした。また、北朝鮮による拉致問題に関しては「北朝鮮の政治体制を考えるとトップとの会談が何よりも重要だ」と述べ、金正恩朝鮮労働党総書記との会談を目指す考えを示した。

閣僚の再任は茂木敏充外相(65)と岸信夫防衛相(62)で、陣容を大幅に変えた。初入閣は新設のポストに就いた小林鷹之経済安全保障担当相(46)ら13人、女性閣僚は野田聖子少子化担当相(61)ら3人となった。

官房長官の松野博一氏(59)に拉致問題担当相を兼務させ、財務相に鈴木俊一氏(68)、経済産業相に萩生田光一前文部科学相(58)、国土交通相に公明党の斉藤鉄夫副代表(69)を充てた。山際大志郎経済再生担当相(53)は新型コロナウイルス対策や「新しい資本主義」も担当する。厚生労働相には後藤茂之氏(65)を起用した。

衆院広島1区選出の首相は平成5年衆院選で初当選し、当選9回。池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一各元首相が輩出した自民党宏池会(現岸田派)の会長を務め、沖縄北方担当相、党国対委員長、外相、党政調会長などを歴任した。

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