中国、岸田新政権による米「対中包囲網」関与を注視

認証式のため皇居へ向かう自民党の岸田文雄総裁=4日午後、首相官邸(川口良介撮影)
認証式のため皇居へ向かう自民党の岸田文雄総裁=4日午後、首相官邸(川口良介撮影)

【北京=三塚聖平】中国メディアは、岸田文雄首相の選出を速報した。習近平指導部は、菅義偉前政権下で日本が米国と対中圧力を強めたことに反発し、岸田氏の出方を警戒している。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は9月末の社説で、岸田氏に対して「日本の反中世論の高まりを緩和する政治指導者としての役割を果たすよう望む」と強調。その上で「穏健な対中政策を保つことは日本の国家利益に符合すると知るべきだ」とし、対中圧力の見直しを迫った。

習指導部としては、バイデン政権が主導する「対中包囲網」に岸田政権がどう関与するか注視する。北京の民間シンクタンク研究員は「近いうちに日米間で電話首脳会談が行われるだろうが、そこで中国の名指し批判や、台湾問題について突っ込んだ発言を行うかが焦点だ」と指摘する。

岸田政権が短命に終わるかどうかも、習指導部が対日政策を再考する上でのポイントになる。中国国営中央テレビ(電子版)は「現在は『臨時免許』を得ただけで、総選挙で自民党を圧倒的な勝利に導くことができれば『正式免許』を得ることができる」という識者の見方を紹介している。

中国は国慶節(建国記念日)の連休期間中で、中国政府は4日夕方までに公式反応を示していない。

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