静岡は月内に国政選重なる 牧之原市は選挙4つ - 産経ニュース

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静岡は月内に国政選重なる 牧之原市は選挙4つ

既に参院静岡選挙区補選、市長選、市議選のポスター掲示板が並ぶ静岡県牧之原市内。さらに衆院選用も設けることになる=4日(岡田浩明撮影)
既に参院静岡選挙区補選、市長選、市議選のポスター掲示板が並ぶ静岡県牧之原市内。さらに衆院選用も設けることになる=4日(岡田浩明撮影)

4日、岸田文雄内閣発足とともに、衆院選について大方の予想より早い「19日公示、31日投開票」との日程を岸田首相が決断したとのニュースは、参院静岡選挙区補欠選挙(7日告示、24日投開票)を控える静岡県内の政界にも驚きをもたらした。2つの国政選挙期間が重なることが確定した上、その他の地元選挙を予定する自治体もあり、各選挙管理委員会は対応に追われている。

4日正午前、県庁6階の県選挙管理委員会。テレビニュースで「衆院選は19日公示、31日投開票の見込み」と一報が流れると、ざわめきが起きた。

14日に行われることになった衆院解散から公示までわずか5日、投開票まで17日という異例の短さ。過去の選挙では、投開票日まで30日ほど確保されることが多かった。「突然の解散という例はあるにしても、解散から公示までこんなに短い総選挙は前例がないのでは」。担当者はつぶやく。早期に立候補予定者説明会を開催できるよう、あわただしく準備に追われた。

衆院選にあたっては選挙区、比例代表のほか最高裁判所裁判官の国民審査と、3つの投票が必要だ。さらに県内では今回、期日前投票で、参院補選と重なる。有権者が記載や投票を間違わないよう、選管はいっそう気を使う必要がある。

市長選、市議選(17日告示)を含めて月内に4つもの選挙が待ち構えることになったのが、牧之原市だ。市選管の担当者はスタッフの確保、ポスター掲示板の場所確保などに「頭が痛い」とうめいた。

任期満了に伴う市長選は現時点で無投票の可能性もあるものの、参院補選、市長選、市議選は同じ24日に投開票と決まっている。この日は、衆院選の期日前投票も含めて「20~30人ほど選挙スタッフの増員が必要になってくる」という。

富士宮市選管の担当者も、戸惑いを隠せない。市議補選(欠員5)が17日告示、24日投開票で行われるからだ。

この担当者は「有権者が期日前での計5つの投票を飛ばしたり間違ったりしないよう、誘導方法や投票所のレイアウトを熟考する必要がある。しかもコロナ対策で、人が密集してはいけない」と説明する。

同市議会では5月に盗撮容疑で市議(当時)が、9月には議長(同)が贈賄申し込み容疑で逮捕されるなど不祥事が続出。今月1日の補選の立候補予定者説明会には、混乱を象徴するように18陣営も出席した。実際の立候補は「9~10人ではないか」(関係者)とみられるものの、選管の苦悩は深まるばかりだ。

一方、県内の各政党は、新内閣の評価もそこそこに臨戦態勢となってきた。

「参院補選と衆院選が重なることによって、選挙への関心が高まる。多くの方々に投票行動に移してもらえるよう期待している」。自民党県連の野崎正蔵幹事長はこう語り、新内閣を「女性の登用などが実現できた。経済安全保障やこども庁の担当大臣など、今の時世にしっかり合った部門も創設したりしたことは評価したい」と歓迎。早期決戦への追い風となる期待をにじませた。

ただ、連立与党である公明党県本部の高田好浩幹事長も衆院選の〝前倒し〟に「ニュースで見てびっくりした」と驚く状況。高田氏は「選挙準備ができていないということでもないので、スピードアップして確実に戦っていくしかない」として、「衆院選の前哨戦としての参院補選を自公でしっかり取り組んで勝ち抜く」と決意を新たにした。

立憲民主党県連の曳田卓幹事長は、新内閣について「岸田カラー演出に腐心した内容でまずはお手並み拝見」としつつ、衆院選日程について「国民に説明責任を果たしてから選挙に打って出るのが本来の政治家のあり方。政権運営に自信がないのかと疑わざるを得ない」と皮肉った。そして「わが党が中心になり、野党勢力を結集し政権交代を目指す」と語った。

国民民主党県連の岡本護幹事長は「初入閣が13人という陣容は期待と不安が同居する。派閥力学が顕在化したようにみえる」とした上で「ご祝儀相場で支持率が上がるところで選挙したいと見え見え」と批判した。

共産党県委員会の山村糸子委員長も「国民が判断の物差しを持つ前に選挙しようとしていると取られても仕方がない。野党が求める国会論戦で判断材料を示してほしい」と指摘。新内閣は「安倍・菅政権をそのまま引き継ぐもの。政権交代しかない」と述べた。