岸田新政権 豪印、中国念頭に日本との連携に期待

首相に選出され起立する自民党・岸田文雄総裁=4日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)
首相に選出され起立する自民党・岸田文雄総裁=4日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)

【シンガポール=森浩】岸田文雄新政権をめぐり、日米両国と外交・安全保障の協力体制「クアッド」を形成するオーストラリアとインドからは、中国を念頭に連携強化に期待する声が上がっている。

豪州は2020年に新型コロナウイルスの発生源調査を求めたことを契機に、中国との関係が冷え込んだ。中国の太平洋進出にも警戒感が高まっており、民主主義の価値観を共有する日本との連携を重視する姿勢を強めている。

12年から約5年間、外相を務めた岸田氏の堅実な手腕への評価は高い。ミラー元駐日大使は、岸田氏が外相としての初の海外歴訪に豪州を含めたことに触れ、「常に豪州を重視してきた」と指摘。中国を念頭に「日本と豪州の国益は一致している。今後、2国間の防衛関係が強化されていくだろう」と分析した。

インドも中国と事実上の国境である実効支配線(LAC)付近で緊張が続くだけに、クアッドの連携を軸にした中国牽制(けんせい)を狙う。

モディ首相は4日、ツイッターで岸田氏に「地域の平和と安定を推進させるために協力できることを楽しみにしている」と呼びかけ、首相就任に祝意を示した。

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