岸田内閣「訴える力を」 医療現場、観光業界の評価は… - 産経ニュース

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岸田内閣「訴える力を」 医療現場、観光業界の評価は…

初の首相会見を行う岸田文雄首相=4日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
初の首相会見を行う岸田文雄首相=4日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

自民党の岸田文雄総裁が4日、第100代首相に就任し、新内閣が発足した。新型コロナウイルスとの戦いも新しい局面を迎える中、衆院当選3回の若手3人を含む13人が初入閣し、陣容が一新された。コロナ禍で苦境に立たされてきた人たちは、「聞く力」を押し出す岸田首相の人選をどう評価し、何を期待するのか。

新型コロナの感染拡大第5波で、厳しい医療逼迫(ひっぱく)に直面した東京都。宿泊施設や自宅での療養者は2万人を超え、入院できずに死亡するケースも相次いだ。

中等症や重症の患者を受け入れた昭和大病院(品川区)の相良博典院長は「容体が急変した患者をどこに搬送するか、という情報が十分に共有できていたとはいえない」と指摘。新内閣には「行政だけでなく、医療者を中心に患者を振り分けるトリアージシステムの構築を喫緊の課題として取り組んでほしい」と話す。

ワクチン接種が進み、全国的に感染状況は落ち着いているが、冬には第6波の到来が懸念される。相良氏は「第6波が起きれば、初期に接種した高齢者らの感染リスクが高まる。3回目接種を行うなら、順位のあり方も含め効率的に運用できる体制を早急に示すことも重要だ」と強調した。

開湯から1千年以上の歴史を誇る静岡県伊豆市の修善寺温泉は、コロナ禍で観光客が5割減った。同温泉旅館協同組合の森孝夫理事長(51)が期待するのは、岸田首相が総裁選で示したワクチンの接種証明を活用する観光振興策「Go To 2・0」だ。

「昨年の『Go To トラベル』は絶大な効果があり、そのおかげで2年間耐え忍ぶことができた。感染防止対策を進めながら、思い切った政策をお願いしたい」と要望。さらに、岸田首相には「『聞く力』に加えて『訴える力』も持ち、国民への説明を尽くしてほしい」と求めた。

北朝鮮による拉致問題の担当相は松野博一官房長官が兼務する。横田めぐみさん(56)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(85)は松野氏と面識がないといい、「拉致問題という大事な問題に、何も関わりがなかった人を置くことはないと思うが…」と困惑を隠さない。

その上で「拉致問題は『国難』。北朝鮮に『何もできないのか』と見下されないように、日本が国民を助けるときはこうするというはっきりとした態度を見せてほしい」と政府の主体的な行動を改めて求めた。

拉致被害者の田口八重子さん(66)=同(22)=の兄で、家族会代表の飯塚繁雄さん(83)は「よっぽど力を入れてやらないと、またずるずる長引いて、結局は何もやらなかったというような状況になってしまう」と危機感を示す。

安倍晋三元首相が拉致問題を「最重要課題」に掲げて以降も、残る被害者の帰国は実現していない。飯塚さんは「首相が前面に出ていかないと話にならない」と、新首相のリーダーシップに期待を込めた。