【主張】コロナ新薬 活用へ迅速な体制整備を - 産経ニュース

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主張

コロナ新薬 活用へ迅速な体制整備を

新型コロナウイルスの治療薬が相次いで登場している。

ワクチンが登場して新型コロナ禍のありようが様変わりしたように、効果の高い薬の登場も疾患との闘い方を変える。

新しい薬の登場による治療法の変化に合わせ、療養環境を臨機応変に整えることが欠かせない。政府は薬の効果を十分に引き出す態勢作りを進めてもらいたい。

9月27日に、英製薬大手グラクソ・スミスクラインなどが開発した点滴薬「ソトロビマブ」が特例承認された。新型コロナの治療薬としては5例目である。

対象となるのは、軽症や中等症で重症化リスクの高い患者だ。海外の臨床試験によると、偽薬を投与した場合に比べて、入院や死亡を79%減らす効果があった。

7月に登場した抗体カクテル療法と同じタイプの薬剤で、対象者も使用方法も似通っている。薬剤の種類が増えて医療現場での入手が容易になり、重症化予防の定着が期待される。

抗体カクテル療法が登場し、基礎疾患などがある軽症者の治療法は変わった。一部の宿泊療養施設は臨時医療施設として機能し始めている。

厚生労働省は1日、こうした薬剤の活用を含めた医療体制の再構築を都道府県に要請した。情報を共有し、どのような体制を整えるべきか、早めに見通しを示すことが重要である。

この2剤はいずれも新型コロナを標的に開発された。それ以前の治療薬は既存薬の転用だった。流行が始まって約1年半が過ぎ、新型コロナを標的にした薬剤の開発が山場を迎えている。

次に注目されるのは、飲み薬の登場だ。感染が分かった時点で服用し、重症化を防げるようになれば、新型コロナがインフルエンザのように一般的な感染症になるのも夢ではない。

米製薬大手のメルク、ファイザー、スイスのロシュが先行している。日本の塩野義製薬も治験を始めた。

田村憲久厚労相は飲み薬について、「申請されれば特例承認の可能性がある。なるべく早く国民に提供できるようにしたい」と意欲を示した。飲み薬が登場すれば、発熱外来での検査から投薬まで一連の流れができる。今後はコロナ治療を行う外来医療機関を整備することも重要だ。