岸田首相〝対中シフト〟 関係構築課題

首相に選出され議場に一礼する自民党・岸田文雄総裁=4日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)
首相に選出され議場に一礼する自民党・岸田文雄総裁=4日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相が直面する外交面の課題は、軍事力や経済力を背景に覇権主義的行動を強める中国にいかに対峙(たいじ)するかだ。元慰安婦訴訟などで国際法違反を続ける韓国や、核・ミサイル・拉致問題を抱える北朝鮮、北方領土交渉の進展が見えないロシアなど近隣諸国への対応も焦点になる。

日本は尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での領海侵入や台湾有事の懸念など、中国の現実の脅威に直面する一方、経済関係も深い。

首相は人事で、茂木敏充外相を再任して外交の継続性を重視しつつ、経済安全保障担当相を新設。自民党幹事長を親中派とされる二階俊博氏から、経済安保に詳しい甘利明氏に交代して〝対中シフト〟を敷いた。

首相は、日本の外交方針である法の支配など「自由で開かれたインド太平洋」の推進を訴えており、日米同盟の深化や、価値観を共有する国々との連携を加速する考えだ。

12日には、アフガニスタン問題に関する緊急の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)がオンラインで開かれる予定で〝多国間外交デビュー〟となる見込み。ただ、30~31日にイタリアで行われるG20サミットは衆院選の選挙期間中と重なるため欠席する。欠席は異例で、バイデン米大統領ら各国首脳との関係構築が今後の課題になる。

中国と台湾が加入申請した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)についても、米国などの参加も含め、日本の主導力が問われる。(田村龍彦)