米、岸田新政権「一貫性」期待 台湾有事に備えを - 産経ニュース

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米、岸田新政権「一貫性」期待 台湾有事に備えを

バイデン大統領=9月(ロイター)
バイデン大統領=9月(ロイター)

バイデン米政権は岸田文雄新政権の発足を強く歓迎している。強固な日米同盟を基軸に、自由で開かれたインド太平洋の推進やルールに基づく世界秩序の堅持という共通課題に継続的な連携を期待するからだ。とりわけ重要パートナーの台湾に挑発を続ける中国、新型ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対処で岸田政権に明確な関与を求めていくはずだ。

「米国にとり岸田新政権の最大の魅力は一貫性」と総裁選前から日米の外交関係者は口をそろえていた。

理由は、日米同盟が最も深化を遂げた第2次、第3次安倍晋三政権時代の外相である岸田氏が「日米同盟を基軸とした揺るぎない安全保障体制」という路線継承を明確にしたからだ。

今夏以降、日米をとりまく安全保障環境が厳しさを増す中、「東京に安定した手腕と潜在的な持久力を持つ指導者を持つことは日米同盟に吉報だ」と米ハドソン研究所アジア太平洋安全保障議長のパトリック・クローニン氏は指摘する。

北朝鮮は在日米軍などを標的にした新型ミサイルの実験を重ね、中国は台湾の防空識別圏に過去最多の戦闘機を進入させた。アフガニスタンからの米軍撤収に伴う混乱で米国の威信は揺らぎ、欧州の同盟国との足並みの乱れも露呈する。

高まる脅威と不確実性を前に、米政府が日本に求めるひとつは敵基地攻撃能力の確保を含む日本の防衛力強化だ。米ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は「北朝鮮や中国への実行可能な選択として、ミサイル攻撃能力の確保に関する岸田氏の見解は、(米国を)勇気づけている」と指摘する。

岸田氏は総裁選の中で、対中国を念頭に人権問題担当の首相補佐官設置を表明。台湾は、権威主義の拡大と対峙(たいじ)する民主主義勢力の最前線だと米紙に語った。米側はこうした岸田氏の発言に注目しており、実効性ある行動を期待する。

中国が台湾への軍事的威圧をエスカレートさせる事態に、米国務省は3日の声明で「米国の台湾関与は極めて強固だ」と台湾の自衛力の維持へ支援を継続すると表明した。米中衝突と日本の有事に直結する台湾有事に備え、バイデン政権は日米台の連携を模索しており、それは岸田外交の試金石ともいえる。(ワシントン 渡辺浩生)