世界自然遺産の西表島でヤマネコ交通事故死多発

7月28日夜に交通事故死したイリオモテヤマネコ=沖縄・西表島(環境省西表自然保護官事務所提供)
7月28日夜に交通事故死したイリオモテヤマネコ=沖縄・西表島(環境省西表自然保護官事務所提供)

車が最大の〝天敵〟

鹿児島、沖縄両県の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が日本で5件目の世界自然遺産となった最大の理由は、この4島で独自の進化をとげた生物の多様性だ。中でもイリオモテヤマネコは、アマミノクロウサギやヤンバルクイナなどと並ぶ象徴的な希少生物で、絶滅が危惧されている。

自然保護官事務所によると、イリオモテヤマネコの生息数はおよそ100頭。西表島には他に大型の肉食獣はおらず、車が最大の〝天敵〟である。毎年2~7頭が事故死し、確認された死因の中では最も多いという。

世界自然遺産への登録にあたっても、事前調査した国際自然保護連合(IUCN)が事故死について懸念を示していた。

一方、環境省や地元自治体では、さまざまな事故対策に取り組んできた。現在もセンターが中心となって「イリオモテヤマネコ運転注意マップ」を毎月作成したり、目撃情報が多い場所などに看板を設置したりして、ドライバーへの注意喚起を続けている。

令和元年12月以降は新型コロナウイルス禍で島民が外出を控えていたこともあり、496日間にわたって無事故が続いていた。それだけに今年4月以降、4カ月足らずで4頭も事故死したことに、地元関係者は衝撃を受けている。