世界自然遺産の西表島でヤマネコ交通事故死多発

8月15日夜に交通事故死したイリオモテヤマネコ=沖縄・西表島(環境省西表自然保護官事務所提供)
8月15日夜に交通事故死したイリオモテヤマネコ=沖縄・西表島(環境省西表自然保護官事務所提供)

今夏に世界自然遺産となったばかりの西表(いりおもて)島(沖縄県竹富町)で、憂慮すべき問題が起きている。国の特別天然記念物のイリオモテヤマネコが相次いで車にひかれ、今年に入り4頭が事故死したのだ。交通事故対策については世界自然遺産の事前調査でも課題に挙げられていた。貴重な生態系の維持に、早くも黄信号が点滅した格好だ。

4頭が相次ぎ事故死

「ヤマネコをひいてしまった…」

8月15日午後9時10分、西表島にある野生生物保護センターの緊急電話が鳴った。職員が駆けつけると、イリオモテヤマネコが道路脇に倒れ、すでに死んでいた。体重0・8キロ、体長35・3センチ、まだ親離れしていない雄の幼獣である。

センターよると、現場は西表島東部の集落近くの県道で、乗用車が時速約40キロで走行中、道路を横切ろうとしたイリオモテヤマネコをはねた。運転手は「直前で飛び出してきたので、ブレーキを踏む時間もなかった」などと話していたという。

イリオモテヤマネコの事故死は今年4件目。4月21日には西部の県道で雄の成獣(体重4・3キロ、体長61センチ)が、6月25日にも西部の町道で若い雄(体重2・9キロ、体長57センチ)が車にひかれて死んでいるのが見つかった。

世界自然遺産への登録が決まった2日後、7月28日深夜にも東部の県道で「ヤマネコをひいた」とする緊急電話があり、センター職員が現場で死んでいるのを確認。今年生まれたとみられる雄の幼獣(体重1・3キロ、体長45・5センチ)だった。

環境省西表自然保護官事務所の田中詩織(しおり)専門員は「相次ぐ事故死にショックを受けている。より一層、注意喚起に努めたい」と話す。