上位グリーン・ゾーン認証でインバウンド取り込み目指す山梨県

実証実験で導入された紫外線照射式の除菌用自走ロボット=甲府市湯村の常磐ホテル(平尾孝撮影)
実証実験で導入された紫外線照射式の除菌用自走ロボット=甲府市湯村の常磐ホテル(平尾孝撮影)

県独自の認証制度「グリーン・ゾーン(GZ)認証」活用で酒類提供を含め飲食店の通常営業がほぼ可能となっている山梨県で、宿泊施設向けの新たな実証実験が始まった。現在のGZ認証の上位認証として確立し、国際的な感染対策認証にまで高めるのが狙い。県は、訪日外国人観光客(インバウンド)取り込みを意識し、経済を動かす〝攻めの感染症対策〟で、国や他自治体を大きく先行する考えだ。

ロボットで殺菌

ホテルの廊下を高さ約1メートルのロボットが、ゆっくりと動く。同時に、上部から紫外線を床や壁面、ソファに照射している。照射後に細菌数を測定すると、照射前に比べ大幅に減少した。無人で廊下やロビーを殺菌する実験だ。ロボットは前に人がいると、いったん停止し、いなくなれば再び動きだす。

将棋の竜王戦・王座戦も開かれる甲府市の湯村温泉の老舗高級ホテル、常磐(ときわ)ホテルで行われている山梨県の上位GZ認証の実証実験の1つだ。常磐ホテルではこのほか、入り口に検温用のサーマルカメラ、手への自動消毒液噴霧器、衣服へのミスト除菌を一体化した全身除菌装置を置き、カフェコーナーには大型空気清浄機を設置。客室にも除菌ミスト発生器、抗菌ウイルスおしぼりなどが用意される。

感染対策と利便性

実証実験は①非接触チェックインシステム②空間除菌③抗ウイルス薬剤を使ったコーティングを軸に、認証基準を策定する狙いがある。宿泊施設が感染防止の十分な対策をとりながらも、利用者が制約をあまり感じない基準を作るためだ。

今回、常磐ホテルに加え、笛吹市にある石和温泉の老舗旅館、糸柳、富士河口湖町の温泉ホテル、富士レークホテルの計3施設で、40~45日間にかけて実証実験を実施。3施設共通の資材もあるが、それぞれに変えてその効果も検証する。例えば殺菌ロボットでは、糸柳ではウイルスや細菌の除菌効果が高いとされる「ナノプラチナ」噴霧型ロボットを使って効果を測定する。