関西経済同友会75周年 自由闊達な〝提言集団〟

関西経済同友会が3日、創設75周年を迎えた。同会は戦後の荒廃から日本、関西を復興させようと、東京で発足した経済同友会の支部として経済人有志が立ち上げた。最大の特徴は、会員が個人として参加し、地域の発展に向け自由闊達(かったつ)に意見を表明できること。新型コロナウイルス禍で先行きが不透明になり、従来にない柔軟で新たな発想が求められる中、〝提言集団〟としての役割に期待が高まる。

会員は個人参加

「同友会は多様な人間の集まりで、時代に先駆けた提言をする集団と自負している」

関西経済同友会の古市健代表幹事(日本生命保険副会長)は9月30日の定例会見で、同会が75周年を迎えることに絡み、こう述べた。ともに代表幹事を務める生駒京子氏(プロアシスト社長)も「日本全体の復興に寄与していきたい」と話した。

ある関西経済同友会幹部は、コロナ禍に見舞われる関西経済の現状を踏まえ、「戦後の復興に向け立ち上がった創設の原点に、今こそ回帰しなくてはいけない」と決意を語る。

関西には関西経済連合会、大阪商工会議所、関西経済同友会の3つの主要経済団体があり、その構成や活動目的はそれぞれ異なる。関経連は企業が参加主体。大商は法律に基づき主に都市ごとに設置される商工会議所で、中小企業を支援する。

関西経済同友会は、一線で活躍する経済人らが個人として、活発な意見を表明する「提言集団」の性質を持つ。

ベンチャー育成も注力

しかしその意見は〝言いっぱなし〟ではなく、大阪、関西の政治、経済の方向性に色濃い影響を与えてきた。近年も、JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた」の緑地整備や来年開催予定の生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ(WMG)」の誘致、大阪市営地下鉄の民営化、統合型リゾート施設(IR)の誘致などで数々の提言を発表。提言はこれらの計画に反映されてきた。

一方で、バブル経済崩壊以後続いた関西経済の失速や、大手企業を中心とした本社機能の東京への相次ぐ流出は「会の運営に深刻な影響を与えた。代表幹事の顔ぶれに如実に現れている」(財界関係者)。

具体的には、関西経済同友会の代表幹事は長年、大企業幹部だけが名を連ねていたが、近年は中堅企業幹部が担うことも少なくなくなっている。

代表幹事は2人制で、現在、生命保険大手の日本生命、古市副会長とともに代表幹事を務める生駒氏は、大阪市にある社員約200人の中堅ソフトウエア企業、プロアシストの社長だ。

また、関西経済同友会が現在注力するのが関西のベンチャー企業の育成。「関西に拠点を置き、世界を相手にビジネスを展開する企業を育成しなくてはならない」(前出の関西経済同友会幹部)との思いからだ。生駒氏自身も主婦から起業したベンチャー創業者だ。

関西財界に詳しいアナリストは「万博やIR誘致など、大阪・関西は近年、東京とは違う独自の経済発展を目指す姿勢を鮮明にしている」とし、「提言集団の関西経済同友会は、その先導役として存在感をさらに発揮できる」と期待する。アフターコロナ(コロナ後)の関西経済の発展に向け、自由で闊達な議論の牽引(けんいん)が一層求められそうだ。(黒川信雄、岡本祐大)