CARストーリー

至高のマシン BMW・M4

BMWのクルマは数字で、グレードが分けられる。1シリーズはコンパクト、3ならミドルクラス、最高位の8ならラグジュアリーといった具合だ。高級車で知られるBMWだが、中でもMシリーズという特別なモデルが存在する。レースで培ってきた技術を投入、500馬力に達するエンジンや徹底的に補強されたボディーなど、レーシングマシンの性能を誇る。今年、Mシリーズの中核をなすM3とM4がフルモデルチェンジ、デザインを一新した新型M4に試乗した。

迫力あるデザインのM4。剛性感あふれるボディーは510馬力のパワーをしっかり受け止める=神戸市中央区(ソニーα1 FE70-200mm F2・8GM)
迫力あるデザインのM4。剛性感あふれるボディーは510馬力のパワーをしっかり受け止める=神戸市中央区(ソニーα1 FE70-200mm F2・8GM)

(土井繁孝、写真も)

BMWを特徴づけるのが「キドニーグリル」と呼ばれるフロントグリル。これまで横長が多かったデザインがM3とM4で縦長に変更された。最初に写真で見たときは違和感を覚えたが実車をみると、意外にスマートで見栄えもいい。

M4は2ドアのクーペスタイル
M4は2ドアのクーペスタイル

今回お借りしたのはM4コンペティション。ベーシックのM4から、30馬力パワーアップされた510馬力のエンジン、ミッションが8速ATとなる。

510馬力を誇るMパワーのエンジン
510馬力を誇るMパワーのエンジン

スポーツカーの魅力は運転の楽しさに尽きる。アクセルを踏みステアリングを切り、ブレーキをかける。運転する上で当たり前の操作のひとつひとつに喜びを感じることがあるだろうか。そんな気分になれるのがスポーツカーの醍醐味(だいごみ)。

青と黄色のコントラストが目を引くスポーツシート
青と黄色のコントラストが目を引くスポーツシート


BMW伝統の直列6気筒、3リッターツインパワーのターボエンジンは、スタートから3・9秒で時速100キロに達する。

エンジンルーム
エンジンルーム

その走りは鮮烈で、運転がうまくなったような錯覚に陥る。ボディーの四隅にまで神経が行き届き、クルマが身体の一部になったような感覚になる。

最高速度が290キロというマシンは、100キロ程度では、羊の皮をかぶった狼といったところ。新幹線に乗っているような余裕のある乗り心地だ。

ルーフはカーボンだ
ルーフはカーボンだ

カーブが連続する山道でM4は真価を発揮する。地面に吸い付くようなコーナリングは、ジェットコースターのようなスピード感を味わえる。

M4のロゴがスポーティな雰囲気を醸し出す
M4のロゴがスポーティな雰囲気を醸し出す

ステアリングにある「M」の文字が刻まれた真っ赤なボタンが目を引く。ドライバーの好みに応じて、エンジンのレスポンスやサスペンションの硬さなどを登録できる。

Mドライブボタンが目を引くステアリング
Mドライブボタンが目を引くステアリング

極論をいうなら、日本で走る限り100万円のクルマでも1000万円のクルマでも目的地までの所要時間はほぼ同じ。

オプション設定のカーボンセラミックブレーキは108万円
オプション設定のカーボンセラミックブレーキは108万円
カーボンセラミックブレーキはローターの直径が400ミリ
カーボンセラミックブレーキはローターの直径が400ミリ

4人乗りで荷物も多くは積めず、510馬力のエンジンは燃費もそこそこ。ヨーロッパの環境対策を考えるとこれが最後のモデルになってもおかしくはない。

高性能を感じさせる4本出しのマフラー
高性能を感じさせる4本出しのマフラー

BMWなら近い将来、M4を超えるEVを生み出すだろう。だが、運転を趣味と捉えるならM4は至高のマシンだ。圧倒的な性能に絶対的な安心感、クルマというジャンルを超えた現代技術の集大成。産業革命に端を発する内燃機関や変速機のテクノロジーは絶やすことなく次世代に引き継いでほしい。

クーペはサイドのシルエットが美しい
クーペはサイドのシルエットが美しい
無骨なフロントグリルとは対照的なスタイリッシュなリアビュー
無骨なフロントグリルとは対照的なスタイリッシュなリアビュー

アクセルを踏み込むとともに高まっていく官能的なエキゾーストノートに包まれながら、消えゆくエンジンの雄叫びを心に刻んだ。

ドライバーの好みに応じた設定が登録できる
ドライバーの好みに応じた設定が登録できる
M4の文字が刻まれたスカッフプレート
M4の文字が刻まれたスカッフプレート
ドア周りもブルーで統一される
ドア周りもブルーで統一される