奥社は岩壁を背にして飯山市内を眺め、足下も切り立っていて特別感があった。「奥社の中に甘露池があってそれがご神体となっています。この水は北竜(ほくりゅう)湖に溜まって、それが灌漑(かんがい)用水として使われています」と鷲尾宮司。奥社内に計3宮殿があり、八所権現の名の通り素盞雄尊(すさのおのみこと)など8柱が祭られている。
登拝後、里社から500メートルほどしか離れていない北竜湖に寄るとカヌーの講習会が行われていた。釣りやボートなどの湖水レジャーや自然散策、キャンプなどアウトドア体験が楽しめるスポットとして知られる。この北竜湖から水を引くなど特徴的な水の利用をしてきた小菅地区は「小菅の里および小菅山の文化的景観」として国により重要文化的景観にも選定されている。(原田成樹)
【小菅神社】 長野県飯山市瑞穂6043。JR飯山駅から路線バス野沢線で関沢下車、徒歩約15分。上信越道豊田飯山インターチェンジ(IC)から車で約30分。飯山駅で電動アシスト付き自転車なども有料レンタルしている。御朱印は里社、奥社とも里社横の宮司宅で配布(各300円)。電話0269・65・3542。