ドバイ万博 感染防止と両立 成否まだ見えず - 産経ニュース

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ドバイ万博 感染防止と両立 成否まだ見えず

多くの人が行き交う万博会場。マスクをしない人も散見される=3日(黒川信雄撮影)
多くの人が行き交う万博会場。マスクをしない人も散見される=3日(黒川信雄撮影)

【ドバイ=黒川信雄】アラブ首長国連邦(UAE)で1日に開幕したドバイ万博。開幕前夜にはUAEの政界首脳らが出席した式典が盛大に行われ、開幕初日、国内外から5万3千人を超す来場者があったという。ドバイ当局は新型コロナウイルス禍でも海外客の隔離を行わないなど強気だが、感染対策がうまくいっているのか不明な部分もあり、世界初となるコロナ禍での万博が成功したと判断するのは時期尚早だ。

「1日にPCR検査を受けたのは、スタッフを含めて約2千人だ。陽性者の人数は、その有無を含め、後ほど伝える」

2日朝に会見したドバイ万博の運営当局幹部は、ワクチン未接種の来場者らを対象としたPCR検査の結果をめぐる記者の質問に、神妙な面持ちで答えた。ただ、数字は3日朝の会見でも公表されなかった。

UAEは昨年末に国民へのワクチン接種を始めるなど、新型コロナ禍への対応が世界で特に早かった国だといえる。連邦を構成する首長国の一つであるドバイは特に、PCR検査の陰性証明提出を条件に、昨年7月には海外客の受け入れを開始するなど、観光産業の回復に向けた取り組みを迅速に進めた。

万博に向けた取り組みも同様で、開幕直前には査証(ビザ)の発給要件の緩和にも踏み切るなど、外国人の受け入れを徹底している。市民らは「万博閉幕まで休みはないと会社に言われた」(タクシー運転手)など、うれしい悲鳴を上げる。

ただ、コロナの感染再拡大の懸念が払拭されたとは言い難い。万博会場では40度近い暑さのなか、マスクを外す来場者の姿も見られた。来場者が密集する場面も多く、ソーシャルディスタンス(社会的距離)への意識が高いとも言い難い。

UAE政府はドバイ万博の会場建設に7千億円超の巨費を投じ、その成功に国の威信をかけている。「万博がコロナで中断する事態など考えられない」(関係筋)のが実情で、感染対策の徹底を強調しつつ、半年間の会期を乗り切る意向とみられる。

ワクチン接種やPCR検査など可能な限りの対策をとりつつ、万博を通じて経済を動かそうとするUAEの姿勢は、多くの国々にとり〝理想〟ともいえる。

ただ、その取り組みが成功するかは、半年間におよぶ万博の動向を詳細に見定めなくてはならない。2025(令和7)年に大阪・関西万博を開催する日本は、その実情を入念に把握、研究する必要がある。