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文庫『覇権帝国の世界史』

各国史や地域史を網羅した世界史教科書は情報量が膨大で、歴史の流れを読み取るのが難しい。そこで、本書では世界統一に向かう動きを軸に西・東・イスラムの3世界の流れに整理する歴史の見方を示した。

著者は西洋の歴史を描く小説家。アレクサンドロス大王を出発点として大帝国の興亡をたどり、現代の枠組みにつなげる。例えば、第二次世界大戦は「西世界の覇権争い」とみる。

こうした見方に基づき、将来の日中関係や移民の問題を考察しているところが興味深い。平成30年刊行『学校では教えてくれない世界史の授業』の文庫化。(佐藤賢一著、PHP文庫・1100円)