吉田正の再離脱にチーム一丸 首位オリ「全員で勝つ」

【オリックス―ソフトバンク】二回、ソフトバンクの千賀から右越えに先制本塁打を放ったオリックスの杉本=10月3日、京セラドーム(河田一成撮影)
【オリックス―ソフトバンク】二回、ソフトバンクの千賀から右越えに先制本塁打を放ったオリックスの杉本=10月3日、京セラドーム(河田一成撮影)

オリックスの中嶋監督は「勇気をもらった1点」と表現した。3日行われたソフトバンク戦の二回、先頭の杉本が、中4日で先発してきた千賀が投じた159キロのストレートを右翼席へ運ぶ先制ソロ。難攻不落の右腕が今季初めて浴びた本塁打だった。

チームに衝撃の知らせが入ったのは前日の試合後。右手首付近の死球で退いた吉田正の骨折が判明したのだ。左太ももの故障から9月26日に復帰してから、5勝1分け。首位奪取の勢いをもたらした主砲の再離脱に、杉本は「連勝しているチームの雰囲気じゃなくなった」と振り返った。

シーズン終盤に向けてチームのスローガンは「全員で勝つ」。緊急事態にナインは奮起した。杉本の一発で流れをつかみ、四回はベテランのT-岡田、安達の連打で1点。五回は無死一塁から、吉田正に代わって先発出場の山足がバスターエンドランでチャンスを広げ、追加点につなげた。

先発の竹安は球を低めに集め、6回1安打無失点。四回2死三塁ではデスパイネの三塁線のライナーを宗(むね)がダイビングキャッチ。竹安は「宗にありがとうと言いたい」と感謝した。

先制パンチの一発に粘りの攻撃。そして丁寧な投球と好守。チーム一丸で戦って3-0で勝利し、これで引き分けを挟んで7連勝。杉本は「一番悔しいのは本人だし、代わりはいない。全員で勝つしかない」と力を込めた。 (鮫島敬三)

会員限定記事会員サービス詳細